30~40代のビジネスパーソンが主要顧客

小竹: 2016年に創業して、販売開始からどのくらい経ちましたか。

橋本: 2017年2月末にネット通販大手のアマゾンで販売を開始したので、ちょうど1年くらいが経ちました。

小竹:実際には、どんな人が購入していますか。

橋本: 30~40代が中心で、やはり調理に時間は取れないビジネスパーソンが多いですね。あと、子育て世代の女性も多い。子どもの食事ばかり気を付けていて、自分は栄養不足、という状況を変えたいような人ですね。次に多いのが20代と50代です。

小竹:若い世代が多いですね。

橋本:「予防」の観点で言うと、若いうちから親しんでいただけるのは嬉しいですよね。僕の周りを見ても、健康意識の高い20代は多いような気がします。

写真共有サイト「インスタグラム」の同社の公式アカウント(basefood_tokyo)でも、「BASE PASTA」の様々な食べ方を提案している

小竹:どういう食べ方が多いのでしょう。

橋本:買い置きした市販のパスタソースと合わせて食べるというパターンが多いですね。パスタって本当に簡単に作れるけど、ラーメンや焼きそばよりも“手抜き感”がない。そこがいいみたいです。同じ塩味の麺なのに、「塩焼きそば作ったよ」というよりも、「ペペロンチーノ作ったよ」の方が、ちょっと家族の反応がいい、みたいなところ、ありませんか(笑)。

小竹:ありますね。パスタは失敗しにくいですし。橋本さんのご両親も買っていますか。

橋本:定期購入してくれています。半分は親心かもしれませんが、たまに実家に帰ると、ちゃんと消費してくれているようなので嬉しいですね。

 あと、ネット通販が得意ではないおばあちゃんが電話してきて、「親戚に配るから送ってちょうだい」と頼まれたりしたこともありました。自分の家族が使ってくれていることは、すごくモチベーションを高めるのにつながっています。食品を扱う仕事の醍醐味ですね。

 もちろん、家族以外にもお客様はたくさんいますが、中には熱烈なファンになって、勝手にSNS(交流サイト)で拡散してくださる人もいて、本当にありがたいです。

小竹: PRに関して、ブランドサイトを見ると、オリジナルのメディアも作っていますね。オウンドメディアの中で、ほとんど商品の話を出していないのが印象的でした。

ブランドサイト内にある「BASE FOOD MAGAZINE」。食品の栄養などの情報に関する記事が多い

橋本:意識的にそうしています。僕たちの一番の目的は、主食のイノベーションを通じて、「健康を簡単にする」ということです。そのためのカルチャーをつくる情報を提供していきたい。そのためには、押し売りではない、楽しい読み物をつくるべきだと思ったのです。その先の行動として、商品を買っていただくという広がりが期待できるはずですから。

小竹:ユーザーの声から、新しい商品も生まれたと聞きました。

橋本:はい。実は4月上旬から「BASE PASTA quick」が発売になりました。お湯を入れて、3分で完成する即席カップ麺タイプです。「オフィスでも食べたい」という声があったので、生麺をお湯で戻して、ソースをかけるタイプの商品を作ってみたのです。

小竹:手軽だから人気が出そうですね。なんでもない日常の食を豊かにする取り組みは、これからも注目していきたいです。まずは家に帰って、家族分をオーダーして、楽しみたいと思います。

小竹メモ

 完全栄養食というと、食べる時の楽しさを諦めなければいけない。今だから言いますが、少しだけネガティブなイメージを持っていました。自分たちが大好きなパスタを楽しむ、そしてつくった料理を人と共有する。健康な食生活をすることが、大変なものではなく、簡単で楽しいものへ。まだまだ食卓は楽しくなる。橋本さんからヒントをもらいました。