栄養バランスの整った食事が、一番難しい

橋本:DeNAで働きながらいつも考えていたのは、「どうせやるなら社会的意義のある課題を解決していきたい」ということでした。そこで、どんな社会課題があるのだろうと色々調べてみたら、やはり少子高齢化は大きなテーマだと感じました。

 年長の先輩からもさんざん脅されるんです。「橋本くんたちが50代になる頃には相当ヤバイよ。年金なんて微々たるもので、社会保障には頼れないよ」って。確かに、これからは医療や介護のコストは高くなるばかりで、個人が自分の健康を維持・管理しないと、医療費や社会保障費によって国が破綻するのではないか、という課題意識がどんどん膨らんでいったんです。つまり、病気になる前に予防する生活習慣が必須だということです。

  健康になるには「栄養・睡眠・運動」が大事だということは、よく言われています。この3つを改善できるか、と自分自身に投げかけてみると、睡眠と運動は「やろうと思えば、何とかなる」と思えました。

 睡眠時間を確保したり、ちょっと近所を走ったり筋トレしたりする努力は、気持ち次第でできる、と。けれど、栄養だけは自力ではできそうもありませんでした。

小竹:橋本さんは元々、料理が好きで得意というわけではなかったんですね。

橋本:はい。当時は社会人4年目くらい。実家で暮らしていた高校時代までは、母親のおいしいご飯を食べていて、大学時代は学生寮の食事で栄養バランスの良い食事をしていました。ところが就職して上京し、渋谷で働き始めた途端、「食べるものがない!」と迷い子になったんです。

 いや、飲食店はたくさんありますよ。けれどラーメンやカレー、ギョウザ、コンビニ弁当……といったルーティンになってしまって。帰宅は21時過ぎくらいなので、自炊をする余裕もありませんでした。

 それで体調を崩してしまった時期があったんです。若い僕だけがそうだったわけではなく、周りの年上のメンバーを見ても、お金はあっても忙しすぎて、ランチはお菓子で代替するとか、「ラーメンが好きだから毎日ラーメン」といった食生活が偏った人が多かったんです。

 栄養バランスのいい食生活は、誰もが手に入れるべきだけれど、現代社会ではなかなか難しいんだということを、肌で感じました。

小竹:社会は豊かになったはずなのに、毎日摂っている栄養は決して豊かではない。

橋本:おっしゃる通りです。だからこそ、「栄養を摂る」というアクションを、もっと簡単にできるようになれば、健康習慣の3大要素の1つが解消されて、日本の健康寿命の延長に貢献できるんじゃないかと思ったんです。

小竹:「栄養摂取を簡単にする」というミッションを発見したんですね。

橋本:課題を最も手っ取り早く解決する方法は何だろうと考えた時、最も簡単なのは、「今までの習慣を変えないこと」だと考えました。そして導いた答えが、「おなじみの炭水化物にいろんな栄養素を入れる」という解決策でした。

 僕たちはラーメンやパスタ、ご飯といった炭水化物を毎日食べますよね。その炭水化物を食べるだけで、バランス良く栄養摂取できればいいと思いませんか。普段の習慣を変えないから、ラクに続けられるはずです。主食で必要な栄養もカバーできるので、あとは何を食べてもOK!となって、挑戦するハードルも低くなるはずです。

米やパンより身近だった「麺」という存在

小竹:主食の中でもパスタを選択したのはなぜでしょう。

橋本:パスタというよりも、使い勝手のいい「ヌードル」だと考えています。通常、主食は米系とパン系、ヌードル系に分けられます。その中でも僕が好きで、簡単だと思えたのがヌードルでした。

 米は好きだけど、炊くとなると、なかなかやらなかったという経験があります。パンは賞味期限が短くて、販売チャネルが限られてしまいます。粉から作れて保存性が高く、販売ルートを広げやすいというメリットを評価して、ヌードルを選択しました。

小竹:確かにパスタは間口が広いですよね。クックパッドのオフィスの一部に、社員が料理を楽しめるキッチンを導入した時、「何を作っているのかな」とよく覗いていました。そしてパスタの登場頻度が高いことに驚きました。

 あまりにパターン化しているのを危惧して、一時、「パスタ封印令」を出したくらいです(笑)。料理ビギナーにとっても、「麺」はハードルが低い。若い世代はパスタが好きだし、ソースでバリエーションを楽しめるから飽きにくい。きっかけはとても大切です。

 ちなみに、「BASE PASTA」に含有する栄養の基準は、どのように決めたのでしょうか。