1997年の創業から21年、日本の家庭の食卓文化をリードしてきた“フードテック”の老舗、クックパッド。その初期メンバーであり、現在も同社のブランディング部門を率いる小竹貴子氏が、気になるフードビジネスの新芽をピックアップし、現場を訪ねる。連載4回目はプランティオ。園芸用品メーカー・セロン工業の創業家で、祖父さんが世界で初めて「プランター」を開発した企業の3代目となる芹澤孝悦氏が代表を務める。「プランター」を軸に日本の「食」と「農」を変えようとする取り組みを追った。

(取材/2018年2月7日、構成/宮本恵理子)

プランティオ共同創業者兼CEO(最高経営責任者)の芹澤孝悦氏(写真:竹井 俊晴、ほかも同じ)

小竹氏(以下、小竹):プランティオは、当社が主催するビジネスプランコンテスト「クックパッド アクセラレータ」(2018年1月開催)に応募された130社の中から採択された5社の中の1社です。実は私、コンテストの前から、注目していたんです。

まだ日本では珍しい、食を通じて“地球のこれから”の課題を解決しようとするスタートアップ。これまでプランターは家庭菜園が好きな人が使うものでした。このプランターに、IoT(モノのインターネット)技術を搭載して、「みんなで楽しく育てる」循環型社会をつくろうというビジョンはユニークで、大きな視野で未来を描いている印象があります。

苦痛やストレスを取り除くためだけではなく、毎日をもっと楽しくするためにテクノロジーを使うという方向性も、とても共感できます。

芹澤孝悦氏(以下、芹澤):ありがとうございます。確かに、僕たちのような食のスタートアップはまだ少ないかもしれません。

事業内容や、これからの事業プランについて、コンテストで詳しく説明しましたけれど、世の中に向けてはほとんど発信をせず、ずっとステルス状態で開発を進めてきました。けれど今回の取材を機に、すべてオープンに話したいと思いますので、どんどん聞いてください。

小竹:ワクワクしますね。まず、芹澤さんのバックグラウンドをおさらいすると、実家は園芸用品メーカー・セロン工業の創業家で、お祖父さんが世界で初めて「プランター」を開発したんですよね。

芹澤:はい。僕は三代目になります。

小竹:大学卒業後は、ITベンチャーでエンターテインメント・コンテンツに携わり、その後でセロン工業へ入社。プランターと最先端のテクノロジーを掛け合わせる再開発事業に着手したという経緯も興味深いですね。

今日お邪魔したこの場所は、プランティオの事業を進めるためのシェアオフィスですね。

芹澤:共同創業者の孫泰蔵さんが運営しています。ほかのスタートアップチームと空間を共有しながら緩やかにつながれる、すごく刺激的な空間です。

小竹:活気があっていいですね。では早速、これから世に出そうとしているサービスについて教えてください。