大手食品メーカーが続々、活用し始めた!

吉開:フードロスのうち半分は流通、残りの半分が家庭から生まれていると言われています。そこで私たちはまず、流通に向けてアプローチしています。

フードロスが生まれる大きな要因は、メーカー、卸、小売りがそれぞれ需要予測を立てて、受発注をする際に生まれるギャップにあります。私たちが精度の高い気象データを元にした需要予測を皆様に配信し、共有していただける仕組みを作れれば、発注活動の効率化が進むのではないかと考えています。

さらに活用を進めたいと研究しているのが、SNS(交流サイト)の情報と組み合わせることです。

「天気が変わると気分が変わる」というのは、多くの人が実感していると思いますが、実際の消費行動ではどんな食品が売れるのか、気象データと組み合わせて提供することで、マーケティングにも面白く活用していただけると期待しています。

「寒い日には鍋が食べたくなる。だから白菜が売れる」というのは通説ですが、実際に鍋を食べたい人の割合はどれくらいなのか、気象データとの販売動向の相関関係を作り、精緻な来店予測や売れ筋商品の予測を提供できれば、よりムダのない売り場作りができるはずです。

さらに発展して、鍋以外のオススメ献立などを消費者に提案する仕組みも作れたら、食品スーパーの売り場がもっと楽しくなるのではとも思っています。

(撮影:竹井 俊晴)

小竹:確かに、過去の経験にとらわれない本当の消費者のニーズに応えたレシピを提案できる売り場が求められる時代です。こうした具体的な事業は、何年前から始めたのでしょう。

吉開:約5年前にプロジェクトが始動し、2014年度から経済産業省の補助金事業を経て、2017年度から事業化しています。

小竹:導入企業の名前を見ると、ミツカンやネスレ日本など、マーケティングを重視する企業がずらりと並んでいる印象です。もちろん、単にデータを提供するだけでは、どう活用していいか分からないという課題もありそうです。

吉開:おっしゃる通りで、我々も提供先のニーズを探りながら、より結果に結びつくデータの出し方を模索しています(後編では具体的な活用事例を紹介します)。