(撮影:竹井 俊晴)

日本の食料廃棄物は年間600万トン以上!?

小竹:どのような提案をしているのでしょう。

吉開:例えば食品スーパーだと、多くの場合、発注の担当者は天気予報を見るのと同じ感覚で情報を見て、「明日は暑くなりそうだから、清涼飲料水はこのくらいの量かな」と、経験値で決定してきたと思います。

では、その地点の過去の気温の推移と売り上げの関係をじっくりと検証したことがありますか、というような提案をしています。

例えば、「気温が25℃を越えればこれが売れる、30℃を超えたらあれが売れる」という経験則を役立てている話はよく聞きますが、私たちの分析によると、購買行動では、気温ばかりでなく、もっと複雑な要素が決定要因になり得ます。

小竹:確かに「今日何を食べたいか」ということは、気温だけではなく、湿度も影響します。「寒くても湿度が高かったら、鍋の気分じゃない」と思いますし。

吉開:そうなんです。日本全国のあらゆる地点の気温や湿度、その他の様々なデータを持っている強みを生かして、都市部と山間部の違いを分析したり、同じ気温でも、前日以前の推移と売り上げがどう関連するのかを分析したりと、いろいろな角度から解析することができます。

小竹:一面的な分析ではなく、エリアや時期をまたいで俯瞰したデータを取得できる強みを生かしていく、と。最初に食品業界にアプローチしたのはなぜでしょう。

(撮影:竹井 俊晴)

吉開:やはり、暑さ寒さに影響されやすい代表的な業界だからです。

農業や食品メーカーなどの作る側から、卸、小売り、消費者と、サプライチェーン全体を効率化し、ムダを省くことで、フードロスの解消につながります。日本の食料廃棄物は年間600万トン以上と言われていて、これは世界の食品援助量390万トンを大きく上回っています。

小竹:何とかしなければならない問題ですね。私も使い切れなかった野菜を捨てる罪悪感には、いつまでたっても慣れません。やむなく捨てた経験もありますし。