「おいしい野菜」の開発は、開拓余地が大きい

朝倉:新たな食の可能性を広げる役割を担っていけたらと考えています。「おいしい野菜」の開発は、まだまだ開拓余地の大きいフィールドです。

 「野菜を摂取した方がいいと思いますか」と聞けば、100人中100人がYESと答えるはずです。それほど、現代人の野菜の摂取量は減っている。なぜそこにギャップが生まれるのかと考えると、やはり「おいしい」と思って野菜を食べていないのかな、と思うんです。

 義務感からではなく、もっと能動的に楽しめる野菜を提供できれば、栄養面の課題解決にもつながるはずです。食卓に目を向けて長年やってきた我々が、異業種かつ新参者だからこそ、思い切って新しい食のシーンを作っていけたら。そんな夢を描いています。

小竹:野菜の新たなイノベーションの始まりですね。おっしゃるように、野菜を本当においしいと思って食べている人は、まだまだ少ないのかもしれません。それも、味覚文化として、瞬間的においしく感じられるものを好む傾向は、年々強くなっています。

 だから、ひと口食べて満足感を得られるお肉を出す店が人気を集めたり、野菜を食べるにしても味の濃いドレッシングをどっさりかけたりする食べ方が主流になりつつある。本当に素材だけでおいしい野菜が増えれば、調理のプロセスも省けるし、よりヘルシーになると思います。

朝倉:まさにそんな貢献ができたら嬉しいですね。

編集部:「辛くない=栄養が少ない」ということではないのでしょうか。タマネギといえば、辛み成分が“血液サラサラ”に効果があるというイメージも浸透しています。

朝倉:タマネギの栄養成分として知られているケルセチン(ポリフェノールの一種)の量は変わりません。スマイルボールは、辛みを生み出す酵素の量を非常に少なくするという技術を使っているので、栄養面のデメリットがないのも特長なんです。むしろ水さらしの必要がないので、栄養分が逃げないメリットがある。

 ちなみに春先に出る新タマネギの辛みが弱いのは、水分量が多く、辛みが薄まっているからで、ケルセチンの量は通常のタマネギより少なくなります。

小竹:こうやってお話を聞いていると、野菜はもっともっと変わっていっていいですね。これだけ生活者のニーズが変わって、食に関する新しいサービスはどんどん生まれている。それなのに、野菜はあまり変わっていない。