人類がタマネギと出合って5000年の歴史が変わった?

朝倉:我々としても異例の長さです。日頃の商品開発サイクルは半年くらいですから。おそらく大手の種苗会社なども、こんなに非効率なことはしないかと思います。加工食品メーカーという異業種だったからこそ、可能だったのかもしれませんね。事情もよく分かりませんでしたし。

 ただ流通量はまだまだ少なくて、2017年の実績も100トン。タマネギ全体の流通量が100万トンですから、本当にわずかな量です。流通の安定は、今後の大きな課題です。

小竹:いかにも新規事業!という感じで、ワクワクしますね。当初の販売はどちらで。

朝倉:まずはお客様が本当に辛くないタマネギを望んでいるのか、直接聞こうということで、百貨店大手の伊勢丹新宿本店と、インターネット通販の「オイシックス」で扱っていただきました。私たちも実際に店舗に立って、お客様の反応を見ていました。

 確か1玉250円くらいの価格だったのですが、実際に食べて納得してくださったお客様は、値段を気にせずに買ってくださる。「何これ!本当に辛くないわ」と驚く反応に、手応えを感じました。

 生産者の反応も感動的でした。今でも動画で録っておくべきだったと悔やまれるのですが、畑で収穫したばかりのタマネギを試食した時、生産者の方々が、「ええー!? こんなにすごいものを、僕らは作っていたんですか」と大きな声をあげてくれて。

 長年関わっているプロの方々がそこまで言うのだから、可能性は大きいと感じました。

 タマネギの生産者はこれまで、土壌の改良などによって何とか辛みを抑えようと工夫を重ねてきた歴史がありました。「人類がタマネギと出合って5000年の歴史を変えた」とおっしゃってくださった人もいました。海外のメーカーからも引き合いがありましたね。

小竹:感動を目の当たりにしながら、手応えを感じられた、ということですね。(後編に続く)