1月20日に第45代米大統領に就任したドナルド・トランプ氏。通商政策や安全保障政策など戦後、米国が進めてきた路線と大きく異なる主張をしているトランプ大統領に対する不安は根強い。トランプ氏は具体的に何を実施し、何を目指しているのか。新大統領が率いるアメリカがどこに向かうのか。それをひもといていこうというコラム。
シリーズ
トランプのアメリカ~超大国はどこへ行く

完結
21回
-
トランプ政策の皮肉な副産物
トランプ政権が移民を抑制する政策を打ち出す米国で、人手不足を解消するため、ロボットが現場作業に次々と導入されている。生産性の向上に寄与するが、「雇用の創出」を掲げたとトランプ大統領にとっては皮肉な結果かもしれない。
-
米貧民街の公立校はこうして立ち直った
米ニューヨークの貧民街「ハーレム」の公立校が、教育の競争から取り残されて、生徒と授業が激減する負のスパイラルに陥っていた。窮地の学校で、「子供の好奇心」を引き出して伸ばす教育に転換、荒れた学校が生まれ変わっていく。
-
トランプ大統領の“ウォーターゲート事件”
ロシアに機密情報を漏らした疑惑を持たれているトランプ大統領が、今度は司法妨害に手を染めたとして疑われている。米政界では大統領の弾劾につながる可能性を指摘する向きがある。弾劾には至らなくても、主要政策が停滞することは避けら…
-
北京はトランプ政権の“タフネス”を再認識した
米中首脳会談が終了した。米中の貿易不均衡や北朝鮮の核開発問題が争点だったが、首脳会談の最中にシリアへのミサイル攻撃が敢行されるという異例の展開になった。トランプ大統領は自身が断固としたリーダーだということを中国に示した。
-
身内に通じなかったトランプ流交渉術
トランプ米大統領は、いわゆる「オバマケア」に代わる法案を、採決直前に取り下げた。最大の理由は共和党内の分裂、とりわけ「下院フリーダム議連」の造反である。トランプ大統領の凄腕ディールメーカーとしての看板は色あせつつある。
-
「君は2種類の違う生き物の話をしているよ」
米墨国境のメキシコ側、マタモロスの人気レストランのオーナーに話を聞く。オーナーはレストランのほかに、ドラッグストアも経営。多くの米国人がやってくる。「仲のいい隣人との間に壁を作るなんて」と、トランプ米大統領を批判する。
-
見え始めたトランプ政権の“行動原理"
端から見るとぶれているように見えるトランプ政権の主要政策。その背景にある法則について、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のマイケ・オースリン日本部長が解説した。
-
「移民政策は公約比で満点が付けられます」
トランプ政権が発足して早2カ月。専門家はここまでのトランプ政権をどう見ているのか。政治リスク分析に定評がある米ユーラシア・グループのジョナサン・リーバー米国政治担当ディレクターに話を聞いた。
-
「壁を建てたのは、英語を話さない人達だった」
トランプ大統領が政策として掲げる、メキシコ国境での壁の建設。実際に国境近くに住むアメリカ人はどう感じているのか。 今回は、メキシコの文化に惹かれて国境の街に移り住んだアーティストのマーク・クラーク氏の意見を紹介する。
-
「トランプ・リセット」の評価は時期尚早
今回の施政方針演説はカオスと化している現状をリセットする重要な機会だと捉えられていた。有権者や議会に広がっていた統治能力に対する不安の払拭につながった点において、今回の演説は一定の成功を収めたと言える。ただし。。。
-
「国境のフェンスのせいで、ゴルフ場は潰れた」
米墨国境の街、ブラウンズビルの“No Man's Land”に暮らす人を紹介する第3弾。ルシオ夫妻は、国境のフェンスによって「家業のゴルフ場の会員が減少、破綻につながった」「住むこともビジネスもできなくなった」と嘆く。
-
共和党に回り始めたオバマケアの「毒」
オバマ大統領の政治的成果がトランプ大統領によって書き換えられようとしているが、オバマケアに関していえば、その「毒」が逆に共和党をむしばみつつある。既にオバマケアは有権者の既得権となっており、代替案を出すのは至難の業だ。
-
米墨国境、ブラウンズビルで砂を売る男は吠える
米国最南端の町、ブラウンズビル。“No Man's Land”と呼ばれる、米国内なのに国境フェンスより南(メキシコ)側のエリアがある。ここの住民に話を聞いた。今回登場するのは、建設用の砂を販売しているラスティ・モンシ―氏…
-
“国境のフェンス”の向こう側にあるアメリカ
米国最南端の町、ブラウンズビル。メキシコ国境に隣接する町にはフェンスが既にある。しかも極めて奇妙な形で。フェンスの向こう側(南側)に取り残されて住んでいる、アメリカ人に話を聞いた。彼らはトランプ大統領をどう見ているのか。
-
米国でささやかれ始めた“合法的クーデター”
米国の合衆国憲法「修正25条第4節」は、副大統領と閣僚による「合法的クーデター」の手順について述べた条項だ。現状では副大統領や閣僚による合法的クーデターが起こる兆しはないが、今の混乱した状況が続けばどうなるかわからない。
-
日米首脳会談、第一ラウンドの勝者は誰か?
首脳会談自体はおおむね好意的な評価を得ている。米ワシントンポストは、トランプ政権のアジア政策が従来の路線に修正されつつあると好意的に捉えた。だが、真実は表立って語られなかったところにあるのかもしれない。
-
トランプ砲をやり過ごす最善かつ消極的な策
「対中貿易赤字は現時点で米国の貿易赤字の約5割を占める。いずれ米国の脅威になることは間違いなく、その経済的な脅威に日米で協力して立ち向かっていこう、というメッセージを出すのも選択肢の一つ。言葉は悪いが、中国を犠牲にすると…
-
「米国第一」の論理的帰結は「中間層の苦痛」
米大統領選の勝利で戦前の予想を裏切ったドナルド・トランプ氏が、再び市場やメディアの期待を裏切りつつある。就任するや矢継ぎ早の大統領令で世界を右往左往させているが、その先には支持層である「中間層の苦痛」が待ち受ける。
-
トランプ政権、移民制限の次なる爆弾
難民や特定国出身者の入国禁止を柱とした米国の大統領令。各方面から激しい批判の声が上がっているが、第二波も覚悟した方がいいかもしれない。Lビザに波及すれば日本企業にも大きな影響が出かねない。
-
メキシコの日系企業は“トランプ”に冷静だった
「政府から工事を止めるよう指示があった1月3日以降、建設業者はみんな引き上げている。フォードのキャンセルは残念だが、サン・ルイス・ポトシにはBMWもいれば、グッドイヤーやGMの工場もある。すぐに別のメーカーが進出してくる…
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回