最近6年間で売上高を2倍に伸ばし、3兆円に達した大和ハウス工業。強い営業力で一度食いついた顧客は逃がさないスッポン経営が最大の強み。そのしぶとさは工場の生産革新にも及んでいた。石橋卓也・専務執行役員 生産購買本部長にしつこい改革ぶりを聞いた。

デフレをものともしない成長力の源泉は、強い営業力と独自の事業開発力と言われてきました。実は、工場の生産性改革にも熱心に取り組んでいますね。

石橋卓也(いしばし・たくや)氏
1978年4月、ニフコ入社。88年4月、大和団地入社。2001年4月、大和ハウス工業常務マンション事業本部長就任。2001年6月、専務。2010年3月から現職。

石橋:戸建てと賃貸などの集合住宅で言うとその外壁や屋根、柱、梁、床材などを工場で生産し、施工現場で組み立てるのが基本です。その部材などを工場で生産しています。そうした住宅用資材の工場以外にも、物流などの事業用施設、商業施設の資材、部材生産工場もあり、当社は計10工場を全国に展開しています。

 問題はある意味、業績の拡大にあります。うちのような業種だと、住宅ごとに使う資材が異なるし、事業用、商業用も同様です。つまり、業績が拡大するほど生産性向上に気をつけないとコストが膨れあがるのです。

協力会社が生産性向上策を提案

もともと工場は協力会社を多用する独自のシステムを取っていると聞きます。

石橋:そうです。例えば、住宅用の奈良工場でいうと、外壁や床、屋根などの大きなラインがあり、その中にいくつかの生産区分があります。そこにかなりの部分で協力会社の方に入ってもらって生産しています。全国の地元業者の方々との関係を持ち、同時にコストを抑えながら生産していくためです。外部の業者をこれほど使っている住宅メーカーは少ないだろうと思いますね。

 ですが、奈良工場などは開設から50年経ち、老朽化も進んだので2012年半ばに建て替え始めると共に生産の仕組みを見直したのです。

ラインのほとんどを外注に頼りながら生産性を上げるのは容易ではありません。

石橋:ラインの中の生産区分ごとに、請け負っている業者から生産性向上策を出してもらってコンペをしました。

 その前に、各工程の生産設備、資材投入から次工程に出すまでのリードタイム、工程の従業員数、生産過程の仕掛品の量などについて、当社側で「標準」を決めました。それをクリアしながら、より効率のいい仕組みを考えてもらったわけです。

具体的に言うと、どのように生産効率を高める仕組みにしていったのですか。

石橋:例えば壁材に使う原材料一つも、それぞれどんな頻度、ロットで生産ラインの各工程脇に置き、どう組み立てるかといったことまで見直していきました。きめ細かく、生産の仕組みを洗い直して、効率を徹底的に上げる仕組みを作っていったのです。

 そうして、奈良工場の外壁ラインなら元は6~7社入っていましたが、4社に絞り込みました。外壁や鉄鋼関連工程では、それぞれ4~5社を同じく2社にしました。