“売れるデザイン”を解き明かす雑誌「日経デザイン」での好評連載。これまでnikkei BPnetで転載(バックナンバーはこちら)していたコラムを、本年からは日経ビジネスオンラインでお届けする。今回は、定番商品の「薬用リステリン」と、ライオンが2017年8月に発売した「NONIOマウスウオッシュ」のパッケージデザインの好感度を比べた。

今回の調査対象は、ライオンの「NONIO(ノニオ)マウスウォッシュクリアハーブミント」(A)と、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「薬用リステリン クールミント」(B)。AとB、どちらの商品を買いたいかを聞くと(Q1)、Aの割合が54%、Bは46%だった。特に、Aは20代、30代の男女から、Bは60代の男性からそれぞれ支持されている。

Aは、ライオンが2017年8月に発売した口臭ケアの新ブランド。20〜30代の若者をターゲットにしている。調査結果を見る限り、パッケージデザインは同社が狙ったターゲットに訴求できていることが分かる。
同社の調査によると、20〜30代の男女の72%は自分の口臭に不安を抱いており、身だしなみで「気をつけていること」と「悩んでいること」の1位が「口臭」だった。そこで同社では、「科学的なアプローチによる本格的な口臭ケア」というコンセプトのAを発売した。
編集部の調査では、若者は日常的にマウスウォッシュを使用している割合は、20代で16.7%、30代で15.0%。50代の36.6%よりもかなり小さい(Q2)。上の年代に比べて、若い世代は口臭の原因であるムシ歯や歯周病への意識が低いと考えられる。若者に訴求できれば、マウスウォッシュ市場が拡大する可能性がある。
Bは、50カ国以上で販売され、売り上げで世界トップの有名ブランド。歯石予防や液体歯磨きとして使用できるものなどラインアップが豊富で、目的に応じて使い分けできるのが特徴だ。

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