“売れるデザイン”を解き明かす雑誌「日経デザイン」での好評連載。これまでnikkei BPnetで転載(バックナンバーはこちら )していたコラムを、本年からは日経ビジネスオンラインでお届けする。今回は、2016年秋に発売された452品目に関するパッケージデザインの好感度を男女別に調査した。
パッケージデザイン開発とリサーチを行うデザインコンサルティング会社のプラグは、2016年秋に発売された452品目に関する好感度調査を実施した。この調査は、各商品のパッケージデザインを消費者2万1000人に見せ、そのデザインが好きか嫌いかを5段階の指標で回答してもらうもの。そのうち「好き」「やや好き」と回答した人の割合を好感度として算出した。
今回は男女で好感度の順位に極端な差があったパッケージデザインをピックアップして、男性が好むパッケージデザインと、女性が好むパッケージデザインにどのような違いがあるのかを分析した。
男性には中身が分かりやすいものが人気
まず、男性の好感度上位40商品の中で、女性の好感度順位との差が最も大きいものを順にピックアップ。男性からは比較的好まれているが、女性から支持されないパッケージが上の写真のものだ。上位にラーメンのパッケージが並んだが、こうした商品のパッケージに特徴的な赤と黒、黄と黒など強いコントラストの色使いや、筆文字を多用するなどして味の濃さや荒々しさを強調したデザインは男性にのみ受けるもののようだ。また、一目見て中身がどのようなものかが分かり、食べ応えがありそうな印象を与えるパッケージデザインが高評価を受けているのは、前年に同様の調査をしたときと共通している。
例えばキンレイの「なべやき屋キンレイ お水がいらない ラーメン 北魁 味噌」は、男性からは「料理と文字の雰囲気が合っていていいと思う(20代)」といった評価を受けた一方で、女性からは「ありきたり(20代)」、「食品と言うより、マンガのタイトルみたいな感じがする(40代)」といったコメントが寄せられた。
ここに示したそのほかのパッケージも、やはり味とデザインとの関連性が分かりやすい点をデザインが好きな理由として挙げる人が多かった。赤城乳業の「大人なガリガリ君 ぶどう」では「ブドウ味がすごく感じられそうだから」と、大量のぶどうの粒をあしらった点が評価されている。
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