「船頭」が多い国内

 国内でドローンに関わる業界の関係者には、パイロット養成に加えて、ドローン機器そのものについても、国際規格化で主導権を握りたいという思いがある。ただ、こちらの方はなかなか進んでいないようだ。

 まず、ドローン機器そのものについては、日本は世界で圧倒的に優位なポジションにあるわけではない。エンルートやプロドローンなど国産メーカーもあるが、日本で使われるドローンは海外製が多い。最大手の中国DJIや米3D Roboticsなど海外の巨大メーカーが市場を席巻しているからだ。彼らもまた、ISOなどで国際規格化作りを主導したいと考えていても何ら不思議でなことではない。

 ただでさえ、世界で存在感を発揮するのが難しい中で、日本勢は国内調整すらおぼつかない。業界関係者がもっとも危惧するのは、「関係する国内の官庁が多すぎて、なかなか意見がまとまらない」ことだ。船頭多くして船山に上る。そんな状態になりかねないのだ。

 例えば、安全に空を飛行するためのルールを管理するのは、国土交通省の航空局の安全企画課。そのルールに基づき、運航の申請を受け付け監視する役割を果たすのが同局の運航安全課だ。ドローンを操縦する電波については、総務省の総合通信基盤局移動通信課が所管する。一方、ドローン機器そのものについては経済産業省の製造産業局が担当。ドローンの大きさによって、同局の産業機械課と航空機武器宇宙産業課が分担している。さらに以前からヘリコプターで農薬を散布していた関係で、農林水産省もかかわっているという。

 これらの意見をとりまとめる場としては、日本規格協会(JSA)の下に、「無人航空機国際標準化国内委員会」がある。2017年に設置されたばかりだが、ドローン業界関係者に加えて各省からも参加している。ISOでの議論はまだ始まったところだが、日本が世界で存在感を見せつけていくにはこの委員会が機能するかが重要になってくる。