その参 「新しい技術」という誤解

 初めて「RPA」という言葉を聞いたとき、「また新しい言葉が出てきた」「新しい技術についていけない」と感じた人も多いのではないだろうか。

 「RPA」は全く新しい技術であると思われがちだ。そのため、導入にあたっては「検証が必要」「導入のリスクを背負いたくない」「他社での導入実績が増えるまで様子を見る」と考える企業が多く、日本企業における導入実績はまだ少ない。

 確かに「RPA」という言葉や概念自体は新しいが、使われている技術自体は新しいものではない。RPAツールの技術は、以前よりシステム開発のテスト段階で、自動的にデータを投入するツールとして利用されている。

 今までは、ある特定の分野に限って、こうした技術を利用しているケースが多かったが、働き方改革の機運や慢性的な労働者不足もあり、今後はRPAを導入する業界の領域が広がると予測する。

その四 「多額の投資が必要」の誤解

 「RPAを導入して業務改革を」と聞くと、導入するには膨大な金額の投資、長期間に渡る開発、新技術に対応可能な人員の確保などが必要ではないかいうネガティブなイメージを持つ人が多い。だがそれも誤解だ。

 多くの企業はこれまで、システム化を検討する際には投資対効果を最優先に考え、担当するシステム部が主導して対象業務の選定から設計・開発・保守運用まで実施してきた。だが、RPAはユーザー部門が短期間で自らロボットを作成し導入していく、いわゆる「EUC(End User Computing)」である。RPAは、「ノンプログラミング」での構築が可能で、ロボット作成技術も短期間で習得可能であることから、膨大な投資も新たな開発要員の確保も不要だ。

 また、従来のシステム導入は、導入後も業務の変更(業務プロセスやインプット・アウトプットの変更)に伴い、システムの改修・定期的な保守が必要であり、継続して保守費用と人員を確保していく必要がある。一方、RPAは業務に変更が発生してもユーザー部門が手軽にロボットを変更することができ、保守のための費用や人員の確保は不要だ。

 RPAは、投資対効果(費用・期間・人員)を鑑みるとこれまでのシステム導入の対象にしなかった、出来なかった領域・業務に取り組むことが出来る。大企業の基幹システム導入であれば、数千万~数億円、ものによっては数十億かかるのが一般的だ。一方でRPAは数百万程度で導入が可能となっている。今後は、ユーザー部門主導でのRPAを導入する業務改革が広がっていくと考えられる。