人口減による「自治体消滅」の危機は、地方を中心に徐々に忍び寄る。都市が活力を保ち続けるには、「働く世代」を呼び込むことが欠かせない。

 日経ビジネスと日経BP総合研究所は働く世代2万人への調査から「活力ある都市ランキング」を作成し、日経ビジネス1月25日号の特集で掲載した。

 2014年に「約半数の都市が消滅する可能性がある」と指摘した増田寛也氏(日本創成会議座長、元総務相)。衝撃的な予測は、今後10年、東京の高齢化が進む中で本番を迎えるという。働く世代、そして高齢者世代や若年層が共に暮らせる街をどう作っていけばいいのか。これからの街作りを聞いた。

(聞き手は田村 賢司)

増田さんは、日本の約半数の都市が2040年までに消滅する可能性があると指摘されました。日本の都市の将来像について、改めてお話しください。

増田:我々が特に着目したのは20~39歳の子供を産む世代の女性の人口でした。この層が少なくなると、地域で人口を“再生産”する能力が小さくなり、人口減に歯止めがかからなくなるからです。

増田寛也(ますだ・ひろや)氏
1977年4月、建設省入省。95年4月、岩手県知事就任(計3期)。2007年8月から2009年9月まで、民間人として総務大臣を務める。2009年4月、野村総合研究所顧問、東京大学公共政策大学院客員教授、内閣官房参与(同年8月まで)。日本創成会議座長として2014年5月、消滅可能性都市の問題を指摘した(写真:柚木 裕司)

 地方では高齢者の介護の仕事が、そうした女性などの雇用を作ってきました。しかし、地方の約4割の地域では高齢者も減少する段階に入っており、その仕事すらなくなっていく。そうすると介護の需要が増える東京にまた人口移動が進むといったことが背景にあるのです。

 この結果、全国1799の市区町村のうち、約半数の896が行政サービスの維持も困難な「消滅可能性都市」になると指摘したのです。いろいろな意見はあるでしょうが、危機感は共有できたと思います。大事なのはそこです。現状を認識しなければ、改革はできませんから。

「地方移住の勧め」は姥捨てではない

東京への一極集中はさらに進むということですね。しかし、総人口が減っている以上、その東京もいずれ高齢化する。

増田:まず、全体で見ると都市の居住者は増えます。ですが、それを含めても東京はモンスター化し、「東京」対「他地域」というくらい圧倒的な大きさになるでしょう。

 都市の居住者は増えると言いましたが、人口10万人くらいの中規模都市は大きく減ります。そして、最初、町や村から始まった高齢化は都市に広がり、10年後には東京も高齢化が本格化します。団塊の世代が後期高齢者に入っていくからです。