1月18日号の日経ビジネス「無気力社員ゼロ計画 強い現場の100の知恵」では、社員のモチベーションを高めるための100種類のアイデアを紹介した。日経ビジネスオンラインでは、その詳細を誌面に掲載できなかった事例を紹介する。2回目は、マンネリ化し、場合によっては社員のやる気を下げてしまうこともある社内行事の活用事例を紹介する。
新入社員のための研修は、どこの会社でも実施している社内イベントの一つ。しかし、多くの新入社員にとって「面倒くさい」「できれば参加したくない」イベントとなりがちだ。「柿の種」や「ハッピーターン」で知られる亀田製菓は、この研修を「『亀田っていい会社だな』と思ってもらえる」(同社)イベントに変えることに成功している。
2015年5月16日、デンカビッグスワンスタジアムには約1万6700人の観客が押し寄せた。Jリーグ、アルビレックス新潟の対ベガルタ仙台戦。歓声の先には、亀田製菓の新入社員約40人がいた。

アルビレックスのスポンサーを務めている亀田製菓は毎年、アルビレックス・ファンに感謝する「亀田製菓サンクスデー『ハッピースタジアム』」を開催している。この担い手となるのが、新入社員だ。入場ゲートでは、来場する観客に特製グッズ(2015年はバンダナ)とハッピーターンをプレゼント。キックオフ前には、新入社員が自己紹介をしてから、チームへの応援メッセージを送る。そして試合後は、全員で観客席のゴミを拾って回る。

「大勢の観客の前で話をするのは緊張するようだが、終わると満足感も大きいようだ。『こんな会社に入れて良かった』『会社を誇らしく思った』などの声が新入社員から寄せられる」(亀田製菓)という。少し工夫をすれば、研修のような嫌われがちなイベントを、愛社精神を高めるイベントに変えることもできる。
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