1月18日号の日経ビジネス「無気力社員ゼロ計画 強い現場の100の知恵」では、社員のモチベーションを高めるための100種類のアイデアを紹介した。日経ビジネスオンラインでは、その詳細を誌面に掲載できなかった事例を紹介する。1回目は、自分が働く意味を再確認する場を設けて、やる気アップにつなげようとする求人サイト運営会社、リブセンスなどの取り組み。
2015年11月中旬の夜。東京都品川区のリブセンスのオフィスに、村上太一社長をはじめ約20人の社員が集まった。「天下一話道会(わどうかい)」という同社初のイベントに参加するためだ。

このイベントは、社員が学生に対して、リブセンスという会社がどれだけ魅力的で働きがいがあるかをアピールする話術を競い合うというもの。人気漫画・アニメの「ドラゴンボール」で、主人公らが武道の技を競い合う「天下一武道会」にちなんだ。
参加した社員は6人で1チームを作り、3つのチームに分かれた。学生はリブセンスの内定者で、今年春の入社予定者ら4人が集まった。
まず、社員と学生が1対1で面談する様子を録画したビデオを放映した。学生が「現在の仕事内容」「リブセンスに入社した理由」「村上社長の印象」という3つを聞き、社員が順に語っていく。
学生の質問に的確に答えたか、リブセンスに入社したいという気持ちを持ってもらえる回答ができたか――。その様子をチームごとに話し合い、会社を最も魅力的にアピールした人を表彰するというものだ。
「話が長い。聞き切れていないのでは」「学生が追体験できるような話をした方が良い」など、社員はビデオを見て活発な議論を交わした。
続いてはチームごとのグループディスカッション。学生に魅力的にアピールする方法を話し合い、キーワードをホワイトボードに書いて発表し合った。
最後は3チームの代表に、村上社長を加えた4人による個人戦だ。1人6分で、「新卒社員に求める人物像」「企業としての成長の図り方」などの学生の問いかけに、順に答えていく。学生が萎縮せずに質問し、社員により多く話してもらうため、学生への逆質問は禁止だ。
最も高い評価を得たのは村上社長だった。「面接という特殊な環境で笑い話を取り入れ、学生の緊張をほぐしながら会話したのが好印象」「実体験を交えながら、理解しやすいように工夫して会社の取り組みを話していた」などの声が上がった。
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