再発防止を強化し、タカラバイオとの共同研究を開始

 今回のことを受け、CiRAでは、製造工程での細胞調製施設内への不要物の持ち込み禁止、ラベル管理の厳格化、使用後の試薬の取り扱いの厳格化と記録の徹底など、製造管理体制を見直して、再発防止に取り組んでいくという。また、同時に、バイオ研究受託を行うタカラバイオとの共同研究を開始することも発表した。細胞製造の分野で実績のあるタカラバイオと協力し、その安全性も含め、再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトの強化を図っていくという(←いまココ!)。

 「非常につらい決断だが、大きく反省している」と謝罪した、CiRAの山中伸弥所長。臨床用に提供できるiPS細胞をつくるにも大変な作業を伴い、また、昨年の夏からわずかではあるが臨床用の提供を開始して研究が始まっていたこと。また、とり違えの可能性がきわめて低いことを考えると、供給の一部停止が「非常につらい決断」であることは想像に難くない。このように安全性を重視し、真摯に誠実に対応するその姿勢に、わたしたちはホッと胸を撫で下ろす。iPS細胞を使った再生医療実現への期待は高まるばかりだが、ときに立ち止まることになったとしても、医療の現場では常にこうあってほしいと願う。そしてわたしたちも、「急発進した夢の治療」について、きちんと理解する努力をしたいと思う。