全都道府県のスーパーで地元民に愛されている食材をルポし『おいしいご当地スーパーマーケット』を刊行したイラストレーターの森井ユカさん。彼女の新著『地元スーパーのおいしいもの、旅をしながら見つけてきました。47都道府県!』をベースに、「出張土産」の視点で、自分も同僚も家族もうれしい一品を県別に提案してもらいます。地場密着型のスーパーの棚から、意外なビジネスのヒントも見えてくるかもしれません。

 初の海外一人旅で、スペインのスーパーマーケットに並ぶ他愛もない日用品のデザインに衝撃を受けたのがかれこれ30年ほど前。それから「ものを通してその土地の文化を見る」ことのとりこになり、書籍にまとめ始めてからもう12年以上経った。どんな目的でどんな場所に訪れても、そこにスーパーがあったら誰を待たせても必ず入る。我ながらしつこいが、もうそれが習慣になってしまっている。

 海外のスーパーについての研究が先行してしまったが、3年前にやっと日本一周し『おいしいご当地スーパーマーケット』を刊行(日経ビジネスオンラインでの記事はこちら)、その第2弾『地元スーパーのおいしいもの、旅をしながら見つけてきました。47都道府県!』の取材でまたもや日本一周することになった。

 前回はパッケージデザインを基準に、いわば「顔で選んだ」が、今回は各スーパーの中に入り込み、従業員さんにインタビューし、その場で試食を重ね、お惣菜売場も取材範囲に入れた上で紹介するものを絞り込んだ。もちろんデザインにはこだわりたいため、お惣菜などのパッケージがないものに関しては、毎晩「スーパーディナー」と称し、持ち運んだ陶器のプレートに美しく盛りつけて写真を撮ることにした。

目的別にお薦めを紹介

 今回の連載ではその中から、特に「ビジネスパーソンのお土産」に適しているものを「車中(主に新幹線等の車内で、自分で楽しむ)」「会社(いくつか個数が用意でき、大人数に配れそうなもの)」「家庭(家族が喜んでくれそうなもの)」と、目的別に分けて選んでみた。

 初回は新潟県新潟市。実は、自分の両親は新潟市出身。であるために、家庭内食文化は新潟そのものだったことに加え、学生時代までは両親と帰省していた。したがって、なじみのある食品は多い。しかし今回の取材では、全く知らなかった新しい新潟産品にいくつも出会うことができた。

 訪れたスーパーは、「あそこは、ちょっと変わった試みをしているんだよね」とかねて聞いていた「原信・女池店」。新潟市の各地の名店から商品を仕入れて、売場のあちこちで展開している。老舗だけではなく、若いファミリーに人気のカフェのオリジナル商品もあり、バラエティに富んでいるのも魅力だ。