社内役員は3人全てが介護出身?

 新体制は社内取締役を3人、社外取締役6人の計9人の取締役が就任する。この新体制についても株主から質問が投げかけられた。

 「原田氏の退任は残念だが、新体制に期待をしている。しかし社内取締役の経歴を見ると、どうも偏りがある。執行役員の顔も見えない」。今回の株主総会でも、執行役員はそれぞれの担当領域で株主からの質問に答えるため、取締役らの後ろに着席していた。だがその顔ぶれがほかで告知されていないことが、不満であるようだった。

 また今回、社長に就いた福原氏のほか、副社長に再任された小林仁氏、取締役に新任される滝山真也氏ら、社内取締役3人はいずれも、介護事業を展開するベネッセスタイルケアに携わってきた。

 福原氏は2004年にベネッセスタイルケア副社長に就任し、同年6月に同社の社長に昇格している。副社長の小林氏も03年12月に同社取締役になり、新任の滝山氏は2011年7月にベネッセスタイルケアの取締役に就任し、以降、介護事業を担ってきた。確かに介護事業は好調で、事業別の営業利益などを見ると、介護・保育部門は全体の7割を占めるほどの存在になっている。

 ただ一方で、今なお売上高の半分を占めるのは「進研ゼミ」などの国内教育部門だ。今後も進研ゼミなどの立て直しが必要なのであれば、国内教育部門に強い人材を取締役に起用しても良いのではないだろうか。株主の質問は極めて真っ当な内容だ。

 福原氏はこれに次のように答えた。「適材適所で選んだ結果、たまたま3人とも介護事業の担当だった。しかし介護事業を担当していたから、役員になったというわけではない。今後はこの社内取締役3人で、それぞれの職務に励むが、定款では取締役は10人まで選任できる。今回は9人で、1人分枠が空いているので、多種多様な経験を持つ人材を、選んでいきたい。ただしまずは足元の業績回復を目指して、3人で舵取りを進めていく」。

 ほかにも、英国のEU離脱を受けた為替の変動が、今後の経営にどのように影響を与えるかなど、時事性に富んだ質問もあったという。

 原田氏が欠席し、株主らが原田氏の最後の説明を聞く機会は失われた。原田氏の後を受け継いだ新体制は、福原氏を筆頭に、丁寧に株主らの質問に回答。上程された2つの議案(取締役9人選任の件と、取締役の報酬等の額改定の件)はスムーズに採択され、株主総会は終わった。

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お詫びして訂正いたします。本文は既に修正済みです。 [2016/06/28 14:30]