最初の質問はやはり取締役の選任について。男性株主が質問に立った。

株主
「2号議案について、懸念があるわけではないが参考までに聞きたい。指名・報酬委員会で活発に議論がなされたとのことだが、意見の一致をみなかったとはどういうことなのか。創業からの理念に関係があることなのか」

中山社長
「基本的には活発な議論がなされたが、最終的に前田氏、伊藤氏の解職ということに至った。コーポレートガバナンスの徹底を目標とするなかで、中長期で企業価値を高めていくには2人の解職が結論となった。自由闊達な風土を損なうのではないかとの懸念があり、人心を一新して成長につなげる体制づくりが必要だと判断した。最終的には取締役会で新人事案を上程し決定したということ」

「ぼちぼち卒業されてはどうか」

 続いて質問した男性株主は、欠席した飯田氏について突っ込んだ意見を述べる。

株主
「何度か株主総会に出席しているが、このように自由に議論ができる雰囲気は貴重なものだと考えている。例えば東日本大震災の折には、ソフトバンクの孫(正義)さんの多額の寄付を引き合いに、ある株主が飯田さんに『どうするのか』と問いかけるなど率直な意見も多く出ていた。こうした点はまさに飯田さんの功績だと思う」

 「ただ、業績も役員の選任も内容には何の問題もないが、飯田さんのこれまでの実績を考えると、どんな取締役も飯田さんの個人的な意見は否定できないのではないか。イトーヨーカ堂(セブン&アイ・ホールディングス)の鈴木(敏文)さんのケースではないが、飯田さんもだいぶお年を召されている。もうぼちぼち、ご卒業され、若い人たちに存分に活躍させてあげられるようにけじめをつけられてはどうか。飯田さんの功績を否定するものでは全くないが、経営の継続という点から、時期を逃さないでもらいたい」

中山社長
「飯田も83歳という高齢で、今回は体調を崩して大事を取らざるをえず、やむを得ず本日は欠席した。貴重なご意見は正しく本人に伝えるようにする。飯田最高顧問には大所高所から経営に対する助言をもらっており、やはり飯田を含めてになるが、新体制が一丸となって、株主に喜んでいただける企業価値の向上にまい進していきたい」

 男性株主は同じくガバナンスの観点で大きな議論を呼んだ、セブン&アイHDの鈴木敏文名誉顧問の退任劇を引き合いに、飯田氏に引退を提案。中山氏は真摯に受け止める姿勢を示しつつ、新体制には引き続き飯田氏の存在が重要との考えを述べた。ただ、その後の質問でも、同様の趣旨の発言が相次ぐことになる。

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