取締役5人が退任

 その後、株主総会が開会する。まず、報告事項として事業報告や連結計算書、監査役会からの監査結果などが簡潔に説明され、決議事項に移った。議案としては焦点となった第1号議案「取締役11名選任の件」と、第2号議案「監査役2名選任の件」のみ。窪田社長が議長として、株主からの質問を指名、大半の質問に自ら答えていった。

 最初の質問は毎年株主総会に出席しているという女性だ。さっそく、焦点の第1号議案についての質問からスタートした。

株主
「今回取締役は8人から11人に増え、うち8人が新任だ。再任は(窪田社長ら)3人なので、5人が退任する計算になる。創業者の会長が急逝した後、残された役員が一致団結して大戸屋をより一層発展させるのが一般的な考え方だろう。なのに多くの人が退任するのはどういうことなのか」

窪田社長
「社外取締役で退任する3名については、今回任期満了に伴い退任ということで、ご本人から申し出があった。社内の2名については引き続き業務執行の面で活躍してもらいたいと考えており、決して一致団結していないわけではない」

 社内の2名というのは濵田寛明氏、高田知典氏の両取締役。2人は引き続き執行役員として社内で各事業部門を統括するという。

 2人目の質問者は男性。人事案で相談役兼最高顧問の河合直忠氏が取締役に就任する理由と店舗のサービスについて質した。河合氏は主力取引銀行の三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)の元常務で、かつて大戸屋の会長を務めていた人物だ。

相談役兼最高顧問が取締役復帰

株主

「以前会長をされていた方が取締役に戻ってくるというのは、相当会社が危ないとか事業改革が必要な場合なのではないか。その点について社長はどのように考えているのか」

「大戸屋をよく使っているが、店によって味噌汁の味が違ったり、提供までの時間が違ったりとサービスに差がある。大戸屋のブランド力を高めるためにどうしていくのか」

窪田社長

「河合氏については大戸屋との関係が非常に長く、15年来の関係がある。現在は相談役兼最高顧問としてビジネス人生の経験からご指導ご助言を頂いている方だ。これまでの経験と人脈は当社の事業発展にプラスになると考え、今回の人事案をお諮りしている」

「味のブレに関しては教育が一番重要になってくる。どうしても手作りでオペレーションをしている関係でブレをゼロにすることはできないが、研修制度や社員の教育を含めてしっかりやっていきたい」

「提供時間については美味しいものを出したいという思いと手作りにこだわることから、時間が少しかかってしまう。短くしようと思えば手数を減らせばいいことだが、それをやると他社との差別化は難しい。検討課題だが、私としてはもう少しメニュー数は削ってもよいのではないかと考えている」

 続いて、決算の数字についての質問の後、4人目の質問者の男性が今回の問題での創業家の立場について質問した。

株主

「創業家の反対について、第1号議案については創業家はもうすでに反対の意思表示をしたのか」

窪田社長
「個別の株主の議決権行使に関する質問なので、我々としてはお答えすることができない。何卒ご理解いただきたい」