
CLGジャパン代表
米ニューヨーク市立大学博士課程修了、組織行動マネジメントに関する博士号を取得。CLGのコンサルタントとして、エネルギー産業、金融業、一般消費財、製造業、医療関連事業等、様々な事業領域で、欧米を中心にグローバルに活躍。ドイツ、イギリス、米国に住み、2014年8月より日本・アジア進出プロジェクト責任者として東京に在住。米国、日本、韓国の有名諸大学で多数の講演活動も行っている。
慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が開設したエグゼクティブ向けプログラム「Executive MBA」。
2015年12月21日まで3回掲載した新貝康司・日本たばこ産業(JT)代表取締役副社長の授業は、M&A(合併・買収)などに伴う組織変革・行動変革などのコンサルティングサービスを提供するCLJジャパンのダニエル・ガイスラー代表の講義の一環として、大規模変革成功のケーススタディーとして行われたものだった。
新貝氏の授業後、ガイスラー代表は大規模な変革を成功させるリーダーシップのポイントについてまとめた。(取材・構成:小林佳代、写真:陶山勉、以下同)
JT代表取締役副社長の新貝康司さんに、いかに巨額買収を仕掛け成功を収めてきたかを講義してもらいました。
JTは成功例でしたが、実のところ、M&Aに代表されるような企業内で行われる大規模な変革の多くは失敗に終わっています。研究によって様々ですが、大規模な変革活動のうち、65~80%は当初の計画を達成できずに終わっています。65~80%とは非常に大きな数字ですね。
多くは実行段階で起こります。
社員の64%は大規模変革にネガティブ
大規模変革の最中にある企業の社員に対して行ったアンケートの結果を見ると、社員の64%は企業内で進む変革が自分たちに良い結果をもたらすとは思っていません。そもそも変革に向けた会社の決定を信頼・信用していないということです。そして、社員の57%は、会社が上手に変革を実行することはできないだろうと考えています。
大規模変革の多くが失敗に終わるのはなぜか。これでその理由が分かります。
つまり、問題は社員なのです。
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