カーネギーの本の目次を引き出しに入れて読んでいた

(受講者)DEC、グーグルなど、名だたるグローバル企業で仕事をしてきた村上さんには、独自に磨き上げたグローバルな仕事術があるのではないかと思います。ぜひ一部を紹介していただきたいです。

『村上式シンプル仕事術』(村上憲郎 著、ダイヤモンド社)

村上:仕事ができるようになるためには押さえるべき原理原則があります。私は、ビジネスパーソンが最低限知っておくべき原理原則を『村上式シンプル仕事術』という本にまとめていますので、それを参考にしていただければと思います。その中にも書きましたが、グローバルに仕事を動かすために最低限必要な知識があります。「キリスト教」「仏教」「西洋哲学」「アメリカ史」の基礎を、まず理解することです。

 グローバル社会では日頃から様々な外国人と接する機会がありますが、現実的に特に多いのはアメリカ人でしょう。グローバルビジネスを成功させるにはまず相手を知ること。アメリカ人のモノの考え方や、その根底にある思想を理解することが重要です。アメリカ人を理解する上でキリスト教の基礎的知識は必要不可欠。また、西洋哲学や、米国の建国以来約250年の歴史を知ることも重要です。

 ただ、私はアメリカ人を理解しようとして、キリスト教を知れば知るほど、自分にはこの世界観は合わないという思いを強くしました。改めて、自分は仏教徒であると認識したのです。とは言え、そういう自分は仏教のこともあまりよく知らない。このため、仏教についての基本的知識も身につけました。

 こうして、知識としてキリスト教と仏教の違いを知っておくことは非常に重要です。違う宗教や違う価値観で育った人とかかわり合う時には、お互いの背景を理解し合ってこそ、はじめて踏み込んだ人間関係が成立します。どちらの基本概念も学び理解しておくことがビジネスパーソンにとって不可欠です。

『人を動かす』(D・カーネギー 著、山口 博 訳、創元社)

 もう1つ、私が経営者としてなんとかやってこられたのはデール・カーネギーの『人を動かす』という本に出会ったからだと思っています。私は日本DECに入社して1年でマネジャーになり、初めて人様を部下として動かすことになりました。まだ若かったこともあり、どのように人をマネジメントすれば良いのかと悩むこともありました。

 そんな時に受けたのがカーネギーのマネジメント講習。その時、カーネギーの考え方に感銘を受け、以来、『人を動かす』は私の仕事上のバイブルとなりました。目次をコピーしてデスクの引き出しに入れ、毎朝、出勤した後に一通り読んでいました。内容を思い出しながら、自分に言い聞かせていたのです。皆さんにも参考になる部分があるのではとないかと思います。(了)