「小売業だけではありません。あらゆる産業が劇的に変わっていきます」

ベーシックインカム導入を議論すべき

(受講者)今が人類史に残るほどの激動の時代であることはよくわかりました。では、今、国は何をしなければいけないのか。もし村上さんが為政者だったら何をしますか。何をしたいですか。

村上:そうですね……1つ選ぶとしたら「ベーシックインカム」の導入でしょうか。それだけで大激論になるでしょうけれど。

 この前の衆院戦で、希望の党の小池百合子代表(当時)が「AI(人工知能)からBI(ベーシックインカム)へ」というキャッチフレーズを出していましたね。仕事がAIやロボットに置き換わることで仕事のあり方が変わり、それによって貧富の差が拡大するため、富の分配システムの見直しが必要だというわけですね。与党は小池さんに先を越されちゃった形で、それもどうかと思いますけど…。

 ベーシックインカムの肝となる部分は、雇用保険などとは異なり、「一切の審査なしに、性別も年齢も関係なく、無条件ですべての国民に対して一定のお金を配る」ということですよね。かつて学生運動に身を投じていた私からすれば、ついに当時つくろうとしていた社会が来るのかと(笑)。そんな感じですね。

 ベーシックインカムについての議論は色々な形で深まってきています。フェイスブックの共同創業者兼会長 兼 CEO(最高経営責任者)であるマーク・ザッカーバーグも2017年5月のハーバード大学の卒業式でスピーチをした際、ベーシックインカム導入を提唱しています。今後、技術開発が劇的に進んでいけば、社会に対して不安定要素も持ち込むことが想定されます。それを補う方法としてユニバーサルベーシックインカムという制度についての議論を始めるべきではないかと訴えたのです。

 「第4次産業革命」とか「ソサエティー5.0」といった一連のワードが象徴するのは、人類史を画するような変革が起きる、「始まりの始まり」であるということなのですが、それをカバーする政策というのは、ベーシックインカム導入を決めることかなと私は思います。ベーシックインカムもまた、もし導入されれば、技術の進化とともに大きく社会を変えることになるでしょう。