「雇用が失われる」などというレベルでは済まない

 8年前、グーグルのCEOだった(現在は持株会社・アルファベット会長の)エリック・シュミットは「ノリオ、スマートグリッドの普及をしてくれ。日本でスマートグリッドが普及しないと10年後にグーグルが困るから」と言っていました。まさに今、そのスマートグリッドが普及する時代が到来しました。そして、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の時代がやって来たのです。

「スマートグリッドが普及する時代が到来しました」(写真:陶山 勉)

 繰り返しますが、今は、人類史上初といっても大げさではないぐらい、いろいろなことがシンクロして巨大な変化が進みつつある時代です。人類史を画するような大変革が迫っている。「始まりの始まり」を予感させます。

 もっとも顕著に現れる変化の1つが雇用です。これからの20~30年間は、「雇用が失われる」などというレベルでは済まない、劇的な変化が起きるでしょう。経理や法律などの専門職の仕事は早晩不要になるはずです。既に私が知っているだけでも、AIを使ってパラリーガルの仕事(法律家の補助をする仕事)を代行する会社が2社できています。ブルーカラーの仕事はもちろん、ホワイトカラーの仕事もなくなっていきます。

 日本政府は「狩猟・採集社会」、「農耕社会」、「工業社会」、「情報社会」に続く、第5の新たな社会「ソサエティー5.0」をイノベーションによって生み出そうと提唱しています。ソサエティー5.0は超スマート社会。IoTやAIと言ったICT(情報通信技術)による革新や生産性向上を実現し、社会のありようを変えようというものです。

 皆さんたちは自分たちの企業が属するインダストリーが、このレイヤー構造を持ったインダストリー4.0アーキテクチャーモデルの中でどの位置にあり、どのような役割を担うのかをしっかりと認識しなくてはいけません。

 そして、この革命的な変化の時代、グローバル人材として羽ばたくためには、自分に何ができるかを常に点検することです。向き・不向きにこだわってはいけません。競争力につながる「できること」を養成することです。

 今、勤めている会社を次のステップの踏み台ととらえてもいいでしょう。ただし、今の会社で誠実に勤務しなくては、何も得るものはありません。実務能力を証明できる職務経歴書をつくり続けることをイメージし、今の仕事に向き合うことを心がけることが大切だと思います。