AIは今、第3次ブームを迎えているとされています。そのきっかけになったのが「ディープラーニング(深層学習)」という新しいアルゴリズムの発見です。「膨大なデータを食わせる」ことが重要なディープラーニングを支えるのは、ビッグデータとコンピューティングパワー。多量のデータが簡単に手に入るようになり、またコンピューティングパワーが向上したことで、ディープラーニングという第3次AIが脚光を浴びるようになりました。

 コンピューティングパワーの向上に関しては、CPUに代わって台頭してきたGPU(画像処理装置)が大きく影響しています。高度なグラフィック処理のために開発されたGPUはコンピュータの処理能力を大幅に高めました。GPUの代表企業である米エヌビディアは、プロセッサーベンダーとして老舗の米インテルを凌駕するような勢いで成長しています。

 もう1つ、コンピューティングパワー向上の要素として、スーパーコンピュータをはるかにしのぐ処理能力を誇るとされる「量子コンピュータ」が実用化の域に達してきたことも挙げられます。カナダのディー・ウェイブ・システムズ(D-Wave Systems)というベンチャー企業が2011年に「世界初の商用量子コンピュータ」を発表したのを皮切りに、開発が活発化しています。

「とんでもないことが起こりつつある」という予感

 今の時代は、実にいろいろなことがシンクロして大きな変化を生んでいます。それによって社会がダイナミックに動こうとしている。70歳になった私の経験からすると、「何かとんでもないことが起こりつつある」と感じさせる状況です。

 インターネットの新地平やサイボーグ、AIなどについて説明してきました。では、こうした技術を統合したアンドロイド、つまり完璧なロボットはどのようにすればつくれるのでしょうか。

 道筋は2つあります。1つはインプランタブルからサイボーグへと進む道。グーグル・スマートアイ(眼)やグーグル・スマートイヤー(耳)を搭載し、他の臓器や四肢が機械に置換されると人間の身体をベースにしつつサイボーグ化が進みます。そのサイボーグの脳がAIに置き換わるとアンドロイドが完成します。

 もう1つは機械がスマート化していってロボットになる道筋。ロボットのAIが人間の知能と比べて遜色なくなったらアンドロイドが完成します。