「7S属」の撃退のコツは?

やらない言い訳「7S属」に対しては、「撃退法」があるのです。
やらない言い訳「7S属」に対しては、「撃退法」があるのです。

受講者:やらない言い訳ばかりを考える「7S属」のお話を、大変興味深くお聞きしました。うちの会社にも「7S属」がかなりいて、苦労する場面も多いのですが、どうやったらそういう人たちを動かすことができるのでしょうか。秘訣をぜひ教えてください。

佐久間:それぞれ「撃退法」があるのです。一部ですが、ご紹介しましょう。例えば、何かにつけ「こういう規則です」などと言う「定め属」について。この種の言い訳の撃退は、簡単です。「これが定めです」と相手が言ったら、すぐに「どこに書いてあるんですか?」「持ってきて見せてください」と切り返してください。

 だいたい、そんなものはないので、「弁護士がそう言っています」「聞いたことがあります」などといった答えに終始します。たとえ、弁護士がそう言ったとしても、弁護士は、一定の前提条件に基づき結論を出しますから、条件が変わったら、答えも異なるものです。「では、実現するにはどうすれば良いかを、弁護士さんに聞いて来てください」と言えばいいのです。

 「お役所が駄目と言っています」という「政府属」も同じ。「官邸が言っています」とか「役所が言っています」といった言葉を繰り返すのですが、では、具体的にいつ、誰が言ったのか。そういう細かいことを聞いてみると、曖昧なのです。そこをつつくと、彼らは出直さざるを得なくなるわけです。そして、出直した時、たいてい結論は変わってきます。

 ロンドンしか住んだことがないのに、「ヨーロッパではこうだ」とワケ知り顔に言う「世界では属」の言い訳には、「ほかの国ではどうなの?」と聞き返します。当然、知りませんからまともには答えられません。

受講者:ありがとうございます。今のお話は個別の、ワン・トゥー・ワンでの撃退法と言えると思います。では、組織ぐるみで結論を先送りするような場合、どのようにその組織のメンバーを動かしていけばよいのでしょうか。「コーポレートガバナンス(企業統治)」をどう効かせるのがいいのか。そのあたりを教えていただければ幸いです。

佐久間:さきほどは、面白おかしく「撃退法」と言いましたが、物事を見極める基本は「理」です。「論理性」「科学性」「合理性」ですね。コーポレートガバナンスというのは、理に適うものであるべきですから、本来あるべきコーポレートガバナンスの体制を構築すれば、こういう言い訳は通用しなくなるはずです。

 ただ、結局のところ、組織も個人レベルで動いています。1対1、1対2、2対3といったコミュニケーションの積み重ねです。そこでは、先ほど紹介したような対話を続けていくしかない。その際、やらない理由に「理」があるかどうかの見極めが重要です。その「理」とは、99%ぐらいまでは、論理性的なもの。ただ、論理性だけではないという意味を込めて「理」。何が理に適うかは、経験で学ぶことも多い。残り1%を、カンとか感覚と言う人もいます。

 話を聞いた時に「何かおかしい」「腑に落ちない」と感じることが、誰しもあるのではないかと思います。これは、自らの経験が教えているものなのですが、その感覚は大事にすべきです。「何かがおかしい」と感じたら「どこに書いてあるのか」「誰が言ったのか」と細部を突き詰めていく。そういう姿勢が重要だと思います。

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