顧客の満足を追求しつつ“過剰品質”にならないように

 健全に成長し、適切な収益を確保することが重要と指摘しました。ただ気をつけなくてはいけないのは、業績の数字はあくまでも結果であって目的ではないということ。企業にとっての目的はお客様に満足いただくことです。数字を追いかけるのではなく、幸せなお客様をつくることを追求すべきです。

 といっても、お客様の幸福度はお客様満足度調査ではわかりません。逆説的ですが、業績の数字こそが、冷徹にお客様の満足を反映します。

 また、幸せなお客様をつくるためには、幸せな従業員をつくらないといけません。そうすると結果として数字がついてくる。正しい行為を実行し、正しい商品を出し続ければリピートオーダーは必ず来ます。

 日本IBMには定期的に経営層が集まってお客様満足度についての議論をする会議があります。そこに出席した米国人は、「我々は、『カスタマーズファースト』『IBMセカンド』『ディビジョンサード』の姿勢でやっているが、日本人は『カスタマーズファースト』『カスタマーズセカンド』『カスタマーズサード』のように聞こえる」と指摘してきます。

 実際、我々日本人は時に「お客様の満足」が全てで、必要以上の品質を追求したためにコスト高になって収益を圧迫したり、その対価をお客様に理解いただくことも苦手だ、と思います。外資系は堂々とそういう議論をしているように思います。それで評判が落ちることもありますが。お客様の満足を追求しつつ、同時に業績も頭に入れておくことが非常に重要だと思います。

顧客第一は重要だが、必要以上の“過剰品質”ではなくコストとのバランスも必要。(写真:olivier26 / 123RF)