ラグビー日本代表の歴史的勝利は「番狂わせ」ではない

 リーダーシップについての考え方にも差を感じます。組織を強くしようと考える時、日本企業はメンバー全員のレベルアップを目指します。つまりチームワーク志向です。それに対して外資系企業は、まず優秀なリーダーの任命を考える。リーダー志向です。会社を強くするにはもちろん両方必要です。あくまでもバランスの問題ですが、どちらをより重視するかというと、日本企業はメンバー全体の底上げを重視している一方、外資系企業はリーダーを重視していると言えるでしょう。

 ここから少し余談です。スポーツは種類によってある程度勝率が決まっています。プロ野球でセ・リーグの去年(2016年)の覇者は広島カープでしたが、何割ぐらいの勝率で優勝したか覚えていますか? 答は6割、正確には6割3分1厘です。カープは今年も6割3分3厘の勝率でリーグ優勝しました。サッカーのJリーグで年間勝者がどのくらいの勝率で勝つかというと、大体8割ぐらい。この数字は過去にさかのぼってみてもほぼ同じです。ではラグビーはどうか。トップリーグを見てください。去年はサントリーが優勝していますが、その勝率は10割です。帝京大学も全勝優勝でした。

 野球の勝率は6割、サッカーは8割、ラグビーは10割。つまり野球は強くても6割くらいしか勝てないけれど、ラグビーは絶対に強い方が勝つ。ラグビーで番狂わせは起きません。前回のラグビー・ワールドカップで日本代表が優勝候補の南アフリカ代表に勝利しましたが、あれは決してまぐれではありません。日本の方が強かったから、勝つべくして勝ったのです。日本代表ヘッドコーチ(当時)、エディー・ジョーンズのリーダーシップが南アより強いチームを作り上げたということです。

2015年のラグビー・ワールドカップで、日本代表が南アフリカ代表に勝利したのは、ヘッドコーチであったエディー・ジョーンズの“リーダーとしての力量”による部分が大きかった。(写真:Press Association/アフロ)

逆にメンバーさえ良ければ、リーダーは関係ないというケースも

 メンバーさえ良ければリーダーはあまり関係ないという例もあります。今年のプロ野球の某球団(私のご贔屓の関西系)などはそれに当たるでしょう。監督の采配は決して良いとは思えなかったけれど、メンバーが強いからそこそこのところまで行きました。

 メンバーの強さかリーダーの強さか。どちらが良いとかどちらが正しいということはありませんが、私個人としてはリーダーが強い方が、組織力が高まると実感することが多いです。

 組織運営の違いだけでなく、組織の構成員の違いも大きいです。日本社会そのものがそうですが、日本企業の組織は非常に均質。それに比べて外資系企業のメンバーは多様です。国籍も様々。中途入社組もたくさんいます。その多様性が強さにつながっている面があります。

「私個人としてはリーダーが強い方が、組織力が高まると実感することが多いです」(写真:陶山 勉)