こまめに連絡し「I care you.」を示す

受講者:コンサルティング会社でクライアント企業の経営を支援していた時と、実際に自ら企業に入って経営をする時とで、経営に対する考え方が変わった点などはありますか。それともコンサルティング会社で指導していたことをそのまま実際の経営に使っているのでしょうか。両方の経験に基づくお話を少ししていただければと思います。

斎藤:戦略コンサルタントとしてやったことは、今の私に生きていると思います。「今、何をすべきか」を追求し、それを常に遂行しようとしているという点で。

 今もコンサルタントの人たちが、経営者である私のところに経営改革の提案に来ることがあります。「そんなことはわかっているよ」ということを提案されますが……わかっちゃいるけどできないから苦労しているんです(笑)。

 何があれば、それができるのか。我々に足りないのは、人なのかもしれないし、時間なのかもしれないし、お金なのかもしれない──ただ、はっきりしているのは「何をすべきか」がわかっていないと、何もできないということ。だから、とにかく私は「今、何をすべきか」を、どんな時も常に、心に留めるように心がけています。そういう点では経営者になってからも考え方はコンサル時代と同じですね。

 コンサルと経営者の違いは、経営者には「結果オーライ」「勝てば官軍」というところがあることですかね。企業では「業績が上がればいい」みたいなところはあります。

受講者:ビジネスを成功させるコツとしてご紹介いただいたものは非常に参考になり、これから使わせていただこうと思いました。特に「I care you.」という言葉がすごく心に残りましたが、斎藤さん自身が相手に「I care you.」を示すためにやっていることを教えていただけますか。

斎藤:人事異動の情報をよく見ていますね。知っている人がどこかに異動したとわかれば「おめでとう」と伝えます。新聞や雑誌の記事で知人の名前が出ているのを見ても同じです。私自身のことをいうと、去年、日本経済新聞朝刊の最終面の文化面「交遊抄」に出たら反響がすごかった。朝から「新聞見たよ」という連絡がいっぱいきました。

 相手に対して贈り物をするっていうのはわざとらしいから、やはりちょっとした連絡をすることですね。小さなことですが、仕事関係の年賀状でも必ず一言書き添えるといったことにも気を配っています。自分がやってもらって嬉しいことを、やるようにしているということでしょうか。

知っている人がどこかに異動したとわかれば「おめでとう」「がんばれ」と、こまめに伝えている。
知っている人がどこかに異動したとわかれば「おめでとう」「がんばれ」と、こまめに伝えている。

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