管理職の管理には距離感が大事

 その米国人マネジャーの指示で、日本に体系的な人材開発の仕組みを導入するため、私は米国に勉強に行きました。帰国後、学んだことを活かし、体系的なトレーニングシステムやコーチング、カウンセリングのあり方、キャリアパスの構築などにかかわりました。

 それまでは営業などで自分自身が成果を出す仕事が多かったのですが、こうした仕組みづくりにかかわると、自分の仕事が会社に対して大きなインパクトを与えていることを実感できます。この時に、私は本当に「仕事って面白い」と心から感じたように思います。

マイクロマネージは自分には便利だったが

 ジョンソン・エンド・ジョンソンは仕事で成果を出すと、よりチャレンジングな目標が与えられる会社です。私の場合は、再び米国に1年派遣され、医療制度の研究や国際マーケティングなどに携わることになりました。死にものぐるいで働いて成果を出すと、今度は帰国して営業部に戻り、地方のマネジャーたちを管理するポジションに就くことになりました。ファーストラインのマネジャーでなく、セカンドラインのマネジャーを経験することになったのです。

 初めて管理職を管理するマネジャーになった当初は、彼らとの距離感がつかめず、スタッフと同じように管理しようとしてしまいました。管理する側の立場からすると、最も効率がいいのは同じことを同じフォーマットで同じように全員にやらせることです。そしてマイクロマネージすること。私自身、マイクロマネージする上司は一番嫌いなのですが、管理する側としては便利だから、ついそういう管理をしてしまっていました。

 ところが、どうもうまくいきません。部下である地方のマネジャーたちの顔が暗く、面白くなさそうなのです。その時に気づいたのは、やはり管理職にはある程度の裁量とか、自分で考えて決定を下せるような余地を残さないといけないということです。管理職の管理には距離感とエンパワーメントが不可欠なのです。