学校経営は「長期」の期間で考えるべきもの

受講者P:企業も学校も、どちらもビジョンやミッションを掲げて、それを戦略に落とし込んで結果を出していくという点では、共通しています。

 そして、企業の場合、その結果は決算の数字でわかりやすく出てきます。一方、学校の場合は、結果や成果が見えにくい。東大に何人合格したとかスポーツで優勝したというのは1つの指標になるのかもしれません。けれど、より重要なのは学校を卒業した人がどういう人格や資質、能力を形成し、どういう人間になっていくかです。そこは非常に評価が難しい。

 経営者として、そして教育者として、わかりやすい結果と長期的な成果とのバランスをとっていくのはいろいろと、ご苦労があるのだろうなと思いました。

受講者Q:今日のお話で仙台育英の卒業生、OBに助けられたといったエピソードを聞いて、学校経営というのは非常に長期の期間で考えるべきものなのだなと実感しました。高校に在籍するのは3年間だけですが、その後も長いお付き合いは続く。その中でビジネスチャンスも生まれ得る。そこは学校経営の夢があるところだと感じました。

学校は背負うものの大きさが企業とは違う

受講者R:一般企業の経営は自由度が高く、制約があまりありません。必要に応じマーケットも変えられるし、ターゲットカスタマーも変えられます。一方、それに比べると学校は公的な組織ですから、学校経営は制約条件が非常に多い。そのため震災のようなリスクに直面し、経営を継続させようという時、より判断の難易度が高くなると感じました。

 それから生徒という存在は企業経営の分野にはいない、独特な存在だと感じました。生徒は学校にとって果たしてカスタマーなのか、カスタマーではないのか。お金を払っていただいているという点ではカスタマーなのかもしれませんが、企業とカスタマーとの関係とはかなり異なります。日常的に接していて、いわば組織の中に内包しているような形とも言えます。でも内部関係者とも違う。

 その結果、教育機関はリスクが顕在化した時の意思決定の重大性が、格段に高くなるのではないかと感じました。背負うものの大きさが企業経営とはまったく違うからです。その中で、震災時に仙台育英学園は素晴らしい意思決定をされたと実感しました。