学校経営と企業経営は「同じ」ものか

加藤:有り難うございます。グローバル企業のリスクマネジメントはさすがに緻密ですね。
 最後の質問です。「今回の意見交換を通じ、学校経営と企業経営の違いをどのぐらい感じましたか」

 いかがでしょうか。学校経営と企業経営は実は「同じ」だと感じたでしょうか。あるいは「違い」が大きいと思ったでしょうか。もちろん取り扱っているものはまったく違いますね。我々が教育する対象は、生徒です。また保護者の方々とも向き合い、地域にもかかわっています。

 昔は、教育機関の経営と企業の経営では違うという見方が多かったんです。けれど最近、私学はもちろん、公立の学校であっても、MBA(経営学修士)の講義で学ぶような多様なケースメソッドを題材にして、経営上やマネジメント上のいろいろなことを考えることが必要ではないかと考えられています。実際、宮城県では教育委員会がケースメソッドを研究していて、私も仙台育英学園のケースをお話しすることがあります。そうやって先生方、特に校長先生方の能力のブラッシュアップを図っています。

学校経営と企業経営の違いとは? ※ 写真はイメージです。(写真:PIXTA)

「公益のため」という意識を強く持った判断に共感

受講者N:教育機関と企業で一番違うと感じたのは、企業の社員は社会人であり、一人ひとりが責任を持って行動することを一応、期待できるということです。一方、教育機関は生徒たちが相手ですから、彼ら・彼女らに対する学校側の責任は非常に大きい。とりわけ東日本大震災などの災害時、未熟な判断をしてしまう可能性のある生徒たちの命をいかに守るかを、企業経営者以上に真剣に考えなくてはなりません。それが本日お聞きした話の中で、一番印象に残ったことでした。

加藤:ありがとうございます。震災時に生徒たちを必死に保護し守った先生方を、帰って褒めてやりたいです。ほかにどうでしょうか。

受講者O:復興の象徴という意味もあったのでしょうが、加藤理事長は未来を担う若者の教育のためにと、校舎の建て直しを極めてスピーディーに決断し実現していらっしゃいます。大きな借金を抱える覚悟を持っての決断であり、公益的な組織という意識を強く持った経営者だからこそ、できることだと感じました。

 私は通信会社に勤めているのですが、震災当時、福島に少しでも多くの電波に関連した資源を向けて、被災地での通信を優先することを協力会社の方々にお願いして進めていました。公益のためという意識を持った判断に共感を覚えましたし、共通項があると思いました。