年間10億杯売る「セブンカフェ」が店内で際立つワケ

 アイコンの基本としてロゴを紹介しましたが、実はプロダクトそのものもアイコンになります。

 僕は明治学院大学や国立新美術館、カップヌードルミュージアムなどのロゴも作成していますが、そのロゴを生かし、アイコン的に、つまり象徴的になるよう考えて様々なグッズもデザインしました。

ロゴを生かし、アイコニックなデザインとしたグッズもつくっている(写真には取扱いを終了したものも含まれる)

 セブンイレブンでは、プライベート・ブランドとして販売する商品そのものをアイコンにしてブランディングしていくプロジェクトを展開しました。「セブンカフェ」も実はそのブランド戦略にのっとって仕掛けたもの。

 今やセブンカフェは年間約10億杯と、単一のコーヒーブランドとしては日本一の販売数量を売り上げています。これだけで1000億円の売り上げを稼ぐお化け商品ですが、ブランドプロジェクトの一環としてアイコニックに仕上げたことで、大がかりなプロモーションなしでも店の中で際立つ存在となりました。

プロダクトをアイコニックに仕上げると、大がかりなプロモーションなしでも店の中で際立つ存在となる

 またロゴ、プロダクトだけでなく、空間もアイコンになり得ます。店舗、オフィス、イベントなど、すべての空間が対象です。

 僕の長男は極真空手を習っています。それが縁で極真会館の松井章奎館長から極真空手のブランディングをご相談いただき、代官山に極真ブランドのトレーニングジムやカフェも併設した道場をつくりました。道場の神棚は新たにデザインし、床、壁とも木材を使うなど、既存の空手道場とは一線を画したイメージを発信しています。

ジムやカフェを併設、従来の空手道場のイメージを一新した

 美容室向けヘアケア製品を製造・販売するビューティーエクスペリエンスは2016年に本社を移転すると同時にスタジオを新設しました。2015年、モルトベーネという旧社名からの社名変更から担当させていただき、その際に僕は漢字の「美」をモチーフにしたロゴをデザインしていたのですが、新設したスタジオには、そのロゴのイメージをそのまま空間に展開しました。「美」は「人生に、新しい美の体験を。」をスローガンに掲げるこの会社の核となるコンセプトです。会社としての理念、考え方がそのまま社名ロゴになり、空間になったという例です。

会社の核となる「美」をモチーフにしたコーポレートロゴを空間に活用した