女性はしがらみに関係なく大胆に意思決定する

受講者:経営者は意思決定をしなくてはならない、意思決定とはつまり捨てることだというのはよく分かりました。ただ、経営者にとって自社の事業というのは一つひとつが自分の子供のようなものです。それを切る決断をするというのは簡単ではありません。優先順位をつけるポイントなどがあれば、お伺いしたいです。

山根:それはケース・バイ・ケースですね。この前、野放図なコングロマリットを選択と集中で立て直したある経営者は、「自分に理解できない事業はやらない」と言っていて、なるほどと思いましたけれど。「好きこそものの上手なれ」っていう言葉がありますが、経営においても、当てはまるのではないでしょうか。個人的な感情を入れると経営ではないと思われがちですが、そういうことではない気がします。経営者自身が理解できて、グッとくる。だから魅力的な言葉で社員を鼓舞できる。そういう面はありますよね。答えになっているかどうか分かりませんが。

受講者:女性が経営者として活躍するために必要なこと、気をつけるべきこと、成功するためのポイントなどがあれば教えてください。

山根:もう36~37年前になりますが、私の恩師は「最近は女性の方がいい意思決定をする。女性の能力を開拓したらすごいことになる」といつも言っていました。私もMBAで議論をしていて、経営問題に対する対応力で女性が劣っていると思ったことはないです。ケースメソッドを学んでいる時、男性はしがらみを考えてウジウジと意思決定してしまうのですが、女性はしがらみに関係なく、肝っ玉母さんのように大胆に意思決定しますね。

 今、社会で女性の活躍が少ないのは、社会が活躍の場を狭めているということと、それを反映して、女性が自らの可能性を閉じてしまうということが大きいのだろうと思います。

 政府が女性の活躍の場を広げようと、取締役や管理職における女性比率の数値目標を設定したことを「悪平等だ」と批判する人もいるようですが、私はこういう取り組みには賛成です。女性たちにはぜひこのチャンスをものにしてほしいと思いますね。「4割任用」で、自ら手を挙げて、「私はできます」と言ってほしい。もちろん、まだ足りないところはたくさんあるでしょう。それは努力して勉強し、身につけることです。大丈夫。絶対にできますよ。