日本の経営トップは世界から酷評されている
日本の経営トップは世界から酷評されている

 経営学の大家、ピーター・ドラッカーは日本的経営を高く評価していますが、日本の経営トップのことは酷評しています。「日本企業の弱点は経営トップにある」「日本の経営トップは経営しない」と表現しています。

 そう思うのはドラッカーだけではありません。スイスのビジネススクール、IMDが発行する『世界競争力年鑑2016年版』を見ると、日本の競争力の「総合評価」は61カ国中第26位で「ビジネス効率」は第29位。ところが「管理者教育」は第57位で、「経営者能力」は第61位。つまり調査国中最下位です。

 米国の調査会社、エデルマン・トラスト・バロメーターの『CEO信頼度調査』でも日本は28カ国中第28位。最下位です。

 日本の経営トップはなぜこんなに評価が低いのか。理由は色々とありますが、私はトップの選ばれ方に最大の問題があると思っています。皆さんの会社でも、経営トップは中間管理職時代の実績で選ばれているのではないでしょうか。前任者が、「よくやった。次のトップはお前がやれ」と決めるスタイルです。

ミドルとトップは役割が全く違う

 しかし、ミドルとトップは果たすべき役割が全く違います。ミドルには上からミッションが降ってきます。それを期待以上にこなすことが求められます。一方、トップはミッションをクリエートしなくてはなりません。

 また、ミドルが「部分最適」を求められるのに対し、トップは「全体最適」を考えることが必要です。新規事業に力を入れるのか、営業部門か、技術部門か…。どれにどれぐらい経営資源を投入すべきかという正解はありません。全体を眺めて、トレードオフの中で意思決定しなくてはなりません。

 ミドルの時代にトップの仕事を教わらないまま、トップになってしまうと、トップになってから何をやっていいかわからなくなってしまいます。皆さんには、この学校にいる間にトップとはどういう存在か、どういう仕事をするべきか、そのために何が必要かをしっかり考えてほしい。

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