株式の過半数を取得し、企業をコントロール下に置く

 アドバンテッジパートナーズの具体的な投資戦略を紹介しましょう。

 我々が投資対象とするのは、主に企業価値30億円から300億円ほどの中堅中小企業です。食品、消費財、小売、製造、卸売、IT、メディア・エンターテインメント、ヘルスケア、通信、金融など様々な業種に投資を行っています。原則的に株式の過半数の取得を目的として投資を実行し、企業を我々のコントロール下に置きます。取締役会でも我々がマジョリティーを保ちます。

 今、日本で、アクティブに活動しているプライベート・エクイティ・ファンドは30社ほどあります。そのほか、各都道府県に地銀がつくったファンドなどもあり、合わせると300社ほどのプライベート・エクイティ・ファンドが存在します。

 プライベート・エクイティ・ファンドには高度な財務ストラクチャリング(構造の変革、再構築)能力、会社を評価する力、投資後に戦略を立てオペレーションを改善して経営を改善していく力などが必要です。

 私とリチャードはコンサルタント出身なので、アドバンテッジパートナーズは、経営を改善していく力に強みを発揮しようとしています。今もコアメンバーはコンサルティング会社の出身者が多く、そのほか金融機関の出身者、弁護士、会計士など企業経営に強いメンバーで構成しています。

20年間で3500億円の資金を集め、約60件に投資してきた

 アドバンテッジパートナーズは1997年に最初のファンドを30億円で立ち上げました。このファンドは日本で第1号のプライベート・エクイティ・ファンドと言われていますから、私は20年間におよぶ市場の歴史を実体験してきた生き証人ということになります。

 その後、ファンドは180億円、465億円、2150億円と大きくなり、これまでに総額3500億円の資金を集め、約60件の案件に投資をしてきました。3500億円の資金の出し手となっているのは、企業年金、公的年金、生命保険、損害保険、メガバンク、地銀など世界中の機関投資家です。米国ではそのほかに大学の基金も大きな存在です。例えばハーバード大学は、5兆円ほどの運用資金を持つ世界最大級の機関投資家です。ロックフェラー財団、ヒューレット・パッカード財団、ビル・ゲイツが起こしたゲイツ財団なども多額の資金を運用しており、こうした方々もプライベート・エクイティ・ファンドの投資家になっています。

 これまでの20年間を振り返れば、山あり谷ありでした。リーマン・ショック後にはピタッと資金流入が止まり、投資案件数がガクンと落ちてしまいました。しかしこの数年でそれが回復してきました。プライベート・エクイティ・ファンドの機能が日本の中でも正確に理解されるようになったからこそ、市場が再成長に転じることができたのだと感慨深いです。