会社設立から5年間、毎月赤字だった。にもかかわらず、ユーザーサポートを徹底したことでユーザーの信頼を得られるようになった。

医療ビッグデータ活用のパイオニアとして強みがある

 メディカル・データ・ビジョンの強みは何かといえば、第1に我々のつくるパッケージソフトの圧倒的なシェアです。

 病院の中には診療報酬の包括評価制度である「DPC制度」を導入しているところがあります。DPCとは「Diagnosis(診断)」「Procedure(診療行為)」「Combination(組み合わせ)」の略。従来の診療行為ごとの点数をもとに計算する「出来高払い方式」とは異なり、厚生労働省が定めた1日当たりの診療点数から成る包括評価部分と従来通りの出来高評価部分を組み合わせて計算する方式です。

 人材も資金も備えているような急性期病院(急性疾患または重症患者の治療を24時間体制で行なう病院)は、ほぼDPC制度に移行しています。私たちはいち早くDPC病院が利用できるようなパッケージソフトを開発したことで現在、DPC病院の45%ほどのシェアを握っています。投資意欲の高いDPC病院で半分近いシェアがあることは大きな強みです。

 DPC病院は、診療情報を共通のフォーマットにまとめて、厚生労働省に提出しなくてはなりません。私たちが病院から二次利用の許諾を得て集めているのはこのデータです。先ほど、病院との信頼関係を構築してきた話をしましたが、まさにそれがあったからこそ、初めてデータを収集することができたのです。

 実は当初、このフォーマットに入力したデータを分析すればすぐに有効活用できるはずと思い込んでいました。ところが、実際にはやってもやってもダメだった。なぜかというと、厚生労働省に提出されているデータに間違いがあることが多々あったからです。例えば女性特有の疾患なのに男性のデータとして入力されるといったことがあります。

 我々は使えるデータを取り出すためにクレンジングプログラムをたくさんつくりました。何年も地道に取り組みを続けてきた結果、今ようやく精度の高いデータが取り出せるようになっています。いわば私たちは医療ビッグデータ活用のパイオニア。これがメディカル・データ・ビジョンの第2の強みです。