「大目標を決めたら、リーダーは常に同じことを言い続けなくてはなりません」 (写真:陶山勉)
「大目標を決めたら、リーダーは常に同じことを言い続けなくてはなりません」 (写真:陶山勉)

人生はフォロー半分、アゲインスト半分

 経営していく上で、フォロー(追い風)とアゲインスト(向かい風)を見極めて行動することも重要です。ゴルフをやる時にはとても重要な要素ですが、会社にもフォローやアゲインストが必ずあります。フォローの時には打ったボールがよく飛ぶけれど、それを自分の実力と過信しないこと。一方、アゲインストの時はうまくいかなくてもがっかりしないこと。着実に進めばいい。そして、アゲインストの時に冒険してはいけません。基本的に、人生はフォロー半分、アゲインスト半分です。私はそう思っています。

女性の活躍の場は益々広がる

 昨今、話題となっている女性の活用についても思うところがあります。女性の活躍の場は今後、ますます広がっていくでしょう。広がるように各企業はしっかり応援していかなくてはなりません。ドコモも今までは男性社会の面がありました。しかし、ドコモのお客様の半分は女性。その女性に向けてのベストサービスは女性が企画・推進するべきだと思います。

 私が子供の頃は小学校では圧倒的に女性が優秀でした。かけっこも女性の方が総じて速かった。中学校2~3年で男女が逆転したように思います。今はどうか。小学校は女性が優秀。中学校も女性が優秀。高校も大学も社会人になっても女性の方が優秀。いつ追い越すことになるかというと、私が思うに32~33歳です。なぜかといえば、一つは結婚・出産・育児を迎える年代になるということ。もう一つはその時期の女性社員を、男性上司がうまく指導できず、進化が止まってしまうことが原因だと思います。

 ドコモでは自分の上司が女性でなくても、隣の部、他の部に女性の管理者がいたら、指導を仰げるような仕組みを入れています。これから40歳ぐらいの管理職に優秀な女性がたくさん出てくるでしょう。そうすると30歳も女性が優秀、40歳も50歳も女性が優秀という時代が必ず来るだろうと思っています。

 2017年のドコモの新入社員は250人程度。その約40%が女性です。会社の将来は優秀な女性の活躍にかかっているといっても過言ではありません。

悪い情報が迅速に上まで上がってくる体質を作ること

 経営者にとっては悪い情報が迅速に上がる体質をつくることも大切です。そのためには、悪い情報が上がってきた時に「なにやってるんだ」などと怒ったり、イヤな顔をしたりしないこと。怒ったり、イヤな顔をしたりすれば、部下は次から決して悪い情報を上げようと思わなくなります。悪い情報が上がってきた時に、「状況は分かった。対策はみんなで検討しよう」と言うこと。ただし、「同じ過ちは二度繰り返さないように」と付け加えます。こうした対応をとることで、迅速に情報が上がる体質をつくることができます。

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