
東芝の不正会計、シャープの経営危機ときて、三菱自動車のデータ偽装。独立早々、突撃する先には困らないシニア記者である。
しかし、これだけ続くと取材する方もいささか疲れてくる。「後ろ向きの話しか書かない男」とレッテルを貼られるのも本意ではない。ドロドロの病巣に敢然と立ち向かうのが本分ではあるが、たまには明るい話も書いてみたい。そうでもしないと、ただでさえ良くない人相がどんどん悪くなっていく。
というわけで、少し時間が経ってしまったが、今日は4月の7日、8日に開かれた新経済連盟サミット(NEST)2016への突撃レポートをお届けする。
「要はパッションです」
目玉は世界で最も利用されているスマートフォンOS「アンドロイド」の生みの親、アンディー・ルービン氏と、元ワイヤード編集長でネット社会の未来を見事に予測した『フリー』や『メイカーズ』の著者であるクリス・アンダーソン氏の二人である。
今年で4回目となるNESTは、毎年規模を拡大しており、今回は述べ3000人の来場者が押しかけた。「FinTech」「人工知能」「ロボット」「ドローン」「セキュリティー」「医療とIT」「教育とIT」とホットなテーマが満載で、シニア記者は二日間、朝から晩まで会場のホテルニューオータニに入り浸ってしまった。
朝9時30分に始まったオープニング・セッションのタイトルは「スタートアップが成功する秘訣」。米投資ファンドDCM共同創業者の茶尾克仁氏、世界各国の企業に福利厚生サービスを提供するAnyPerkを米国で創業した福山太郎氏らが登壇した。
4月にスタートアップ(独立)したシニア記者にとっては、魅惑のタイトルである。成功の秘訣とはなんぞや。

福山氏曰く。
「米国で起業しようと思うと、日本人は『まず英語を完璧にしないと』と考えがちですが、シリコンバレーでは世界中から集まった人たちがブロークン・イングリッシュでバリバリやってます。要はパッションです」
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