中国の個人消費は年間10%程度の成長を保っている。しかし、ネット通販の急拡大で、実店舗中心の小売業の経営は厳しさを増している。特に百貨店は厳しく、繁華街の立地でも閑古鳥が泣いている店舗が多い。百貨店ほどではないが、大型スーパーも厳しく、早くから中国に進出したウォルマートや仏カルフールもネットとの競争にさらされている。

 こうした中で、好調を保っているのがコンビニエンスストアだ。出先で何か買いたいといった需要や、今すぐに必要といったニーズに応えてくれるコンビニの存在は、ネット通販が普及しても不可欠だ。

日系コンビニの強みは維持できるか

 コンビニは小売業の中でも日本企業が強い領域だ。中国にはセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンがそろって進出しており、中国の日常に溶け込んでいる。コンビニ市場の成長は日本勢にとって良い環境ではある。一方で、ネットに端を発する小売市場の変化によって、弁当やおでんなどの商品力やサービス水準の高さといった日本のコンビニの強みが薄れてしまうのではないかとの危惧もある。

 理由の一つが、コンビニ市場の競争激化だ。他の小売りに比べ成長しているコンビニの市場には多くの小売り企業が注目している。例えば、卸売の大型スーパーを手がける独メトロは、昨年から中国で「合麦家」というコンビニを本格的に広げ始めた。合麦家は、「麦徳龍」にあやかってつけた名称と見られる。「メトロ」は中国語名を「麦徳龍」という。メトロの音に漢字を当てたようだ。また厳密にはミニスーパーに近いが、カルフールも「イージー」と呼ばれる小型店舗の業態を中国で展開している。

独メトロが手がけるコンビニ「合麦家」
四川省成都市の「紅旗連鎖」の店舗

 中国企業が手がけるコンビニも出店を拡大している。大きな地方都市では国有企業が運営するコンビニも多い。こうした店舗は、品揃えやサービスなどあらゆる面で日本のコンビニに及ばない。ただ、一方でコンビニは立地の良し悪しと加盟店の支持に左右されるビジネスでもある。中国系のコンビニは、店舗開発や加盟店集めの点で日系より優位に立ちやすい。