フィギュアスケートの羽生結弦選手やスピードスケートの小平奈緒選手の金メダル獲得に沸く平昌(ピョンチャン)冬季五輪。今大会から、五輪の最上位スポンサーであるワールドワイドパートナーとして参加したのが、中国のネット通販最大手、アリババ集団だ。

 アリババは2017年、国際オリンピック委員会(IOC)と28年までの長期パートナーシップ契約を結んだ。同社はクラウドサービスとEコマースプラットフォームを提供する。

 現在、五輪のワールドワイドパートナーとなっているのは、米国のコカ・コーラやゼネラル・エレクトリック(GE)、韓国のサムスン電子など13社。日本企業はトヨタ自動車、パナソニック、ブリヂストンの3社がワールドワイドパートナーとなっている。中国企業としてはレノボ・グループに次いで2社目となる。

最も目立つ場所にあったアリババの展示施設

 羽生選手や小平選手が金メダルを獲得した江陵(カンヌン)アイスアリーナや江陵オーバルがある江陵オリンピックパーク。入口を通ってすぐに目に入る、最も目立つ位置にショーケースと呼ばれるアリババの展示施設があった。

韓国の江陵オリンピックパーク内にあるアリババ集団のショーケース

 施設内では、顔認証技術を利用しておすすめのオリンピックグッズを提案してくれるネット通販サイトや、五輪の競技映像を利用して誰でも簡単に中継動画を作れる技術などを展示。2月10日の同施設のオープン式典には、アリババのジャック・マー会長とともにIOCのトーマス・バッハ会長が参加した。

 式典であいさつしたマー会長は、アリババが持つクラウドやAI(人工知能)などのITを駆使することで、五輪のデジタル化に貢献していくと強調した。ただ技術の展示などはしたものの、昨年、契約を結んだばかりということもあり、今回の平昌五輪ではアリババの技術はほとんど使われていない。マー会長は「2020年の東京五輪ではさらに進歩し、2022年の北京冬季五輪は真のクラウド五輪になるだろう」と語った。

会見するアリババのジャック・マー会長(右)とIOCのトーマス・バッハ会長

 アリババが目指す「五輪デジタル化」の青写真は壮大だ。競技映像などをアリババのクラウドサービスに保存し、誰でも簡単に利用できるようにするといった構想だけではない。AIやビッグデータを利用して、アスリートに対し効率的なトレーニングなどを提案。同様にAIなどを利用して交通案内の最適化や、さらには開催地の都市計画も可能になると訴える。