春節で閑散とする上海市内の道路(写真上)。一方、人気の商業エリアにある「くまモン」をテーマにしたカフェは、入店待ちで長蛇の列ができていた

 中国は1月28日に春節(旧正月)を迎えた。27日からの7連休の間、北京や上海の大都市は「空城」(空っぽの街)と呼ばれる状態になる。多くの人が故郷に帰るため、観光スポットや繁華街を除けば人が極端に少なくなる。近年、大都市の中心部では爆竹や花火も禁じられているため、普段の喧騒からは信じられないほどの静けさだ。

 日本国内では春節というと訪日客の動向に注目が集まるが、今回は上海の春節の様子から、やや大げさだが中国経済の現在地を考えてみたい。

ライバルアプリの配達員が届けにきた

 国が定める休暇は7日間だが、実際にはその前後も休む人が多く、3週間から1カ月ほどは「お正月モード」が続く。公式な休みに入る前の1月20日の時点で、既に一部の宅配便会社は取り扱いを止めていた。

 出前アプリを使った際も、春節を感じることがあった。中国では出前アプリを使って、日々の食事などを配達してもらうことが都市生活者の日常になっている。出前アプリでは、アリババ集団が出資する「餓了麼(ウーラマ)」、騰訊控股(テンセント)が出資する「美団外売」、百度が手がける「百度外売」が競い合っている。ちなみに「外売」は出前を意味する。

 1月23日に「百度外売」を使って昼食の出前を頼んだ。これらの出前アプリでは「店舗が注文を受けた」「配達員が店舗に着いた」といった注文状況が、リアルタイムで確認できる。だが、この日は「店舗が注文を受け取った」ところで、進捗が止まってしまった。注文から1時間近く経ち、店舗に電話をしようとした時に、配達員が到着した。

 到着した配達員は、百度外売のイメージカラーである赤の服ではなく、ウーラマのイメージカラーである青の服を着ていた。やってきたのはライバルであるウーラマの配達員だった。