ウェブサイトにはサービス概要や料金目安、問い合わせ先を分かりやすく表示

 依頼者の情報は、個人情報を匿名化した状態で、居住地域をカバーする複数のサービス事業者に配信。その際にサービス内容、料金などの面で顧客満足度が高く、成約実績の多い業者を優先的に紹介する。地域およびサービスごとに事業者をA~Dの4段階でランク付けし、ランクの高い群から時間差をつけて順番に配信していく。

 競争の激しい都市部などでは、ランクが下がると、紹介される案件数が大きく減ることもある。「サービスの質の向上や料金設定などにおいて企業努力を促し、利用者の満足度向上につなげている」(同社取締役の篠昌義氏)

 サービス事業者にとってもシェアリングテクノロジーを利用するメリットは大きい。加盟料などの初期負担はなく、依頼者との間で成約した場合のみ、シェアリングテクノロジーに紹介手数料を支払う仕組みだからだ。サービス事業者は、広告宣伝などの集客コストを抑えつつ、受注を増やすことが可能になる。

 一方のシェアリングテクノロジーにとっては、成約率をいかに高めるかが収益拡大のカギとなる。そのため検索結果で同社サイトが上位に表示されるよう、デザインを工夫して使い勝手を高めたり、リスティング広告のキーワードと入札価格を緻密に設定し直したりするなどの改善に日々取り組む。

「共有経済」を実現する

 引字圭祐社長がシェアリングテクノロジーの前身となる会社を設立したのは06年。当初はアロマ(香り)関連の商品を輸入販売するサイトを運営していた。09年に、転居者を対象にネット回線の開通を取り次ぐ事業を開始。不動産仲介業者と関わる中で、生活関連のトラブルに悩む消費者が多いことを知り、12年から現在のような仲介事業を始めた。

 年間問い合わせ件数は、14年の約13万件が16年には約28万件にまで増加。データが蓄積するにつれ、顧客対応の質が改善して、顧客満足度が高まり、成約率も上昇している。業績は好調で、17年9月期は売上高13億5700万円、経常利益3億6600万円を見込む。

右肩上がりの成長が続く
●シェアリングテクノロジーの業績推移

 現状では、シェアリングテクノロジーが提供する193サイトのうち、ペット葬儀やシロアリ駆除といった35サイトが売り上げの大半を占める。17年8月、同社は東証マザーズ市場および名証セントレックス市場に上場した。調達した資金をシステム開発や人材採用に充て、残りの158サイトをさらなる収益源に育て上げていく考えだ。

 「消費者とのマッチングで、様々なサービス事業者の非稼働時間を減らし、共有経済(シェアリングエコノミー)を実現する」。引字社長はその目標に向け、サイトのさらなる改善と提携先の拡充を急いでいる。