様々な生活関連のトラブルに遭遇した個人をサービス業者に紹介する事業を展開する。ウェブサイトを窓口としつつ電話で丁寧に応対する仕組みが支持され、利用が広がっている
(日経ビジネス2017年10月2日号より転載)

「自宅にシロアリが出て困っている。急いで駆除してほしいんですが、良い業者を知りませんか」
「部屋に盗聴器が仕掛けられているような気がする。調べてもらいたいんですが」
名古屋市の中心部にあるシェアリングテクノロジーのコールセンターには、こうした電話がひっきりなしにかかってくる。
カギの紛失、ペットの葬儀、雨漏り、害虫の駆除、ガラスの交換、盗聴器の調査……。様々なトラブルに遭遇した消費者に、問題を解決するサービスを提供する事業者を紹介するのがシェアリングテクノロジーだ。トラブルの種類ごとに「シロアリ110番」「ガラス110番」「水110番」といった計193のサイトを運営。提携事業者は全国で2238社(2017年5月末現在)に達する。
ネット経由で事業者を紹介
消費者は生活関連のトラブルに見舞われた際に、どの業者に依頼すればいいのか悩むことが多い。インターネットで検索すると多数の業者が見つかるが、どの業者が良いのか分かりにくいからだ。サービス内容や価格もまちまちで、選ぶのは難しい。
シェアリングテクノロジーのマッチングサービスは、こうした悩みに対応するものだ。
その仕組みは、まず依頼者がスマートフォンやパソコンで、グーグルやヤフーといった検索エンジンに「カギ 紛失」「シロアリ」などと入力することから始まる。検索結果に表示されたシェアリングテクノロジーのサイトを開くと、そこにはサービスの概要や料金の目安とともに、フリーダイヤルの電話番号が掲載されている。
電話をかけると、つながる先はシェアリングテクノロジーのコールセンター。問題が起きて連絡してくるのは、インターネットが不得手な高齢者が少なくない。緊急事態に対応するために何をすればいいのか分からない人も多い。そうした際に、オペレーターによる丁寧な応対は安心感につながる。
同社はカギやシロアリなどトラブルの種類ごとにウェブサイトを作り、それぞれに異なる電話番号を付与。このためコールセンターのオペレーターは、依頼者がどのサービスに関して問い合わせてきたのかが瞬時に分かり、適切に応対できる。
1人のオペレーターが全ての問い合わせに対応できるよう、電話応対をマニュアル化。電話を取ると、各サービスに対応する画面がモニターに表示され、それに沿って依頼者にヒアリングしていく。例えばカギ紛失の場合、「カギの種類」「戸建てか集合住宅か」「施工時期」「身分証明書の有無」などを聞き取るといった具合だ。
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