INTERVIEW
髙山 善司社長に聞く
どの企業とでも組む用意はある

 独ヒアやオランダのトムトムなどの海外の地図大手が、自動運転をにらんで日本の市場に参入することはあり得るだろう。ただ、日本の地図は基となる国土地理院の地形図を含め、精度が非常に高い。

(写真=:竹井 俊晴)
(写真=:竹井 俊晴)

 我々が住宅地図のデータを長年作り上げてきたことも非常に高い参入障壁となっており、そのために投資してきたとも言える。それでも社員にはいつも「あぐらをかくな」と言っている。

 高精度な地図を作ることは他社でもできる。ただ、ノウハウが必要なメンテナンスを続けるのは大変だ。これまでも、カーナビゲーション用の地図などでは、ヒアやトムトムと協業してきた。我々は海外の地図を持たないので、彼らから地図のライセンス提供を受け、独自のコンテンツを付加して自動車メーカーに販売している。協調できるところはあるし、競争しなければならない部分もある。これは自動運転用の地図でも同じだ。

 もちろん、危機感はある。米グーグルの「グーグルマップ」用に日本の地図を提供した際にも、社内でかなり議論した。どこまでの情報を渡すのか、更新頻度はどうするか。当然、当社が持っている全てのコンテンツは渡していない。

 グーグルや米ヤフーなどへの地図提供によって、スマートフォンで手軽に地図が見られるようになり、日本国内でも地図の存在感が高まった。彼らは競合だが、単なる競合とも言えない。

 自動運転は確かにビジネスチャンスだ。我々だけでできることには限界があり、自動車メーカーと一緒に進めなければいけない。

 どのレベルの自動運転が普及するのか、一部の上位車種ではどのレベルが必要なのか。多くの自動車メーカーと開発を進めているが、各社の思惑はそれぞれ違う。売り上げが立つ時期も、搭載車種がいつ売り出されるかによって変わるなど、自動車メーカーに左右される。

 長期的には、地図情報をプラットフォーム化して、自動車メーカーなどと売り上げをシェアできるようなモデルを視野に入れなければならない。ただし、プラットフォームとして成立するためには、ブランド力や技術力、資金力が必要になる。1社だけで作るのか、協業するのか。どの企業とでも組む用意はある。(談)

(日経ビジネス2016年6月13日号より転載)