製造業にも進出、広がる裾野

 17年7月、ABEJAは新たな一歩を踏み出した。製造業向けの業務改善プラットフォームの提供を本格的に始めたのだ。完成品の検査や部品の調達数量の管理、製造装置の故障予知など、ABEJAは製造業でもディープラーニング技術が生きる領域は幅広いとみる。「これまで不可能だと思われてきたことが、可能になっていく」。岡田社長は同技術への期待をそう表現する。

岡田社長は「ディープラーニングが有効活用できる領域はまだまだある」と話す

 ABEJAの株主には伊藤忠商事や東芝テック、米セールスフォース・ドット・コムなど大手企業が名を連ねる。今年5月にはGPU(画像処理半導体)メーカーの雄、米エヌビディアからも出資を受けることが決まった。岡田社長が掲げる「産業革命の担い手になる」という壮大なビジョンに、国内外から期待が集まっている証しといえるだろう。

 ここ数年で、AIは産業界のバズワード(流行語)になった。だが実際にAIで業務を改善し、事業モデルの変革につなげた例は多くない。「これからごく短い時間に、世界は確実に変わる。我々は、その変化を起こしていく立場でありたい」と岡田社長。その挑戦は緒に就いたばかりだ。

日経ビジネス2017年8月7日・14日号より転載