POOLは「ミラクルペイント」というフェイスペイント素材の販売で急成長している。特徴はすぐにはがせる利便性と、イベント出展を活用したマーケティングのうまさだ。
(日経ビジネス2017年7月24日号より転載)


「ひげも描いちゃおう!」「キャー」
絵が描かれた顔を互いに見て次々と上がる子どもたちの歓声。これはある企業主催のイベントで、参加した子どもにフェイスペイントを体験してもらう催しの一場面。このフェイスペイント素材「ミラクルペイント」を製造、販売するのがPOOLだ。
POOLは社員2名の小さな会社だが、ミラクルペイントはヨドバシカメラやロフト、東急ハンズ、イオンなど有名店で広く扱われている。9月からは大手コンビニエンスストアでも販売が始まるほど引く手あまたの状態だ。その売り上げは急速に伸びており、5年前までは数百万円だったが、2016年度には1億6000万円に達した。
好調の要因の一つが、「簡単にはがせる」という、他のフェイスペイント素材にはない特徴だ。
ミラクルペイントは絵の具のような素材で、中にラテックスというゴム成分が含まれている。そのため、塗ったらすぐに乾き、乾いた後は薄いゴム風船のような素材が肌に張り付いているような状態になる。手でつまめばペリペリと簡単にはがすことができる。そのため、イベントの後に洗顔してフェイスペイントをはがす手間が不要というわけだ。描くときに失敗してもすぐにやりなおせる、乾けば他人や洋服につかないといったメリットもある。
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