INTERVIEW
高田旭人社長に聞く
天才の父と経営の根本は同じ
たかた・あきと 1979年生まれ。野村証券を経て2003年ジャパネットたかた入社。15年から 現職。(写真=都築 雅人)

 社長に就任してからの2年半で目指してきたのは、事業の戦略と社内の土台の体制についての強化です。創業者である父があれだけの知名度を持ち、会社を引っ張ってきた。いくら正しいことをやっても、数字が伴わなければ、私自身が経営者として認められないという気持ちはありました。

 事業戦略についてはまず、当社の特徴である、「少品種大量販売」を磨き込むことです。どれだけ良い商品を選び抜けるか。コールセンターやアフターサービスなど、付帯するサービスの品質をどれだけ高められるか。製品やサービスを伝えるテレビやネットなどの販路をどれくらい特徴づけられるか。意識したのはこの3点です。

 世の中に知られていない素晴らしい製品を発掘し、お客様のことを想像して社員や取引先のメーカーと一緒に改善を重ねる。それは、売り上げが落ち込んだ時期に、父と改革を一緒に進めてきた経験がベースとなっています。そして、販路の中でも顧客に商品の魅力を伝える上で非常に重要なテレビ。私がいうのも変ですが、父はその点でまさに天才。どのように伝えていくか、MC陣と一緒に試行錯誤しています。

 当社は比較的、順調に事業継承をできていると周囲から言っていただいております。父は経営を退いてからは、全てを任せてくれている。さらに、父がいなくなったリスクを超える動きを社員皆がしてくれています。

 ただ、実は(社長就任前の)最後の2~3年間は、経営判断をめぐって父とは相当にぶつかっていたんです。私が商品担当役員として提案したものを父が否定したり。精神的には本当にきつかったですよ。全部父の計算だったのかもしれませんが(笑)。

 事業継承については、父からもずっと言われていたことですが、親子だからでは全くありません。一方で、親が会社を作って苦労しているのを私は一番近くで見てきた。家に電話がかかってきて、注文1つで10万円の売り上げが立つ様子を、すごいなと思いながら見てきたんですね。それは、私が社長になる上で非常に貴重な原体験だったと思います。

 父は昭和の高度成長期に創業し、強いリーダーシップで会社を引っ張ってきた。私自身は意思決定をボトムアップ式にしたり、働き方も見直したりと組織のあり方を大きく見直しています。それでも、経営の根本は父と同じ。ジャパネットの強みを磨き続けていこうと考えています。(談)

(河野 祥平)