置き薬の事業が源流

環境が厳しさを増し売上高は伸び悩む
●ダイドードリンコの業績推移
注:決算期は1月期
配置薬業から自販機事業に参入し成長
●ダイドーの主なトピック

 ダイドーの2016年1月期の売上高は前の期から横ばいの1498億円、営業利益は4%減の49億円で営業利益率は3.3%。売上高は2008年1月期をピークに微減傾向が続く。この逆風下でダイドーが目指すのが、同社の根幹であり最大の強みである自販機ビジネスを「変革」することによる、競争力の強化である。

 同社の源流は創業者の髙松冨男氏が戦後、医薬品の販売業を始めたことに遡る。冨男氏は1956年に大同薬品(現ダイドー子会社の大同薬品工業)を設立した。配置薬の販売を拡大する一方、医薬品やドリンク剤などの製造販売にも乗り出した。

 転機となったのは73年。缶コーヒーの販売に乗り出し、運転時の眠気覚ましなどとして人気を集めた。75年には事業を分社化してダイドー(現ダイドードリンコ)を設立した。

 一方で、70年代前半から冷たい商品と温かい商品を同時に売ることができる自販機が登場したのに伴い、自販機事業にも参入した。

 こうして生み出された「自販機&コーヒー」の組み合わせが、ダイドーの躍進を支える原動力となった。

 営業員が全国を走り回り、商店の軒先などに自販機を貸し出し商品も供給。商品の製造は外部メーカーに委託する「ファブレス」を早くから採用し、商品開発と営業、オペレーションに特化してきた。設置台数が増えれば売り上げが伸び、業務効率も高まる、自販機モデルを競合に先駆けて確立したのだ。

 だが、こうした成功モデルが壁にぶち当たっている。大手ビールメーカーなどが飲料・自販機事業に本格参入して競争が激化し、コンビニエンスストアの台頭で販路も多様になった。自販機の台数は横ばいとなり飽和感が増す一方、小売店は24時間営業を増やし年々商品も拡充してきた。

 自販機の持つ便利さは相対的に薄れて、消費増税のたびに税込み価格を値上げしたことで、スーパーなど店頭販売との価格差も広がった。

 ここ数年で、コンビニのカウンターでの入れたてコーヒーが一気に普及し、缶コーヒーから需要を奪っている。業界全体で、自販機1台当たりの販売量も年々下落傾向。自販機比率が圧倒的に高いダイドーにとっては死活問題だ。

飲料業界の再編は加速している
●飲料大手の買収や提携関係
(写真=Rachel Lewis/Getty Images)
ダイドードリンコのシェアはわずか3%
●2015年の清涼飲料業界の企業別シェア

 さらに、飲料業界の再編がダイドーに存在意義を問いかける。上図のように、2012年にはアサヒグループホールディングスがカルピスを子会社化し、2015年にはサントリー食品インターナショナルが自販機事業を日本たばこ産業(JT)から買収。コカ・コーラグループの2大ボトラー(製造・販売会社)は、今年4月に統合の方針を発表した。

 ある証券アナリストは、「飲料業界はもう一段の再編が不可避。コカ・コーラのボトラー統合などで中堅以下のメーカーはより厳しい状況にさらされる」と分析する。ダイドーの業界シェアはわずか3%。独立路線を貫いても待つのは「いばらの道」だ。